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一票の格差を口実にした「党利党略」か、共産・山添氏の比例中心制への転換論が孕む不都合な真実




共産党の山添拓政策委員長は、総務省の試算で衆院選の「一票の格差」が最大2.274倍に広がったことを受け、小選挙区制の維持は限界として「比例代表中心の選挙制度」への転換を訴えた。だが、憲法が定める「投票価値の平等」を大義名分に掲げたこの主張の裏には、深刻な党勢衰退に喘ぐ共産党の「自己保存の思惑」と、日本の議会政治を機能不全に陥れかねない構造的リスクが隠されている。

まず、比例中心の制度は「決められない政治」への先祖返りを招く。得票率に応じて機械的に議席が配分されれば、中小政党やミニ政党が乱立する「小党分立」となり、連立工作を巡る政局の混乱や政権の不安定化、ひいては国政の停滞を招く。現行の小選挙区制は、まさにこうした混乱を克服し「政治の安定」を実現するために導入された経緯がある。

さらに、山添氏の主張は致命的な論理矛盾を孕んでいる。同氏は参院選の「合区」について地方への不公平を強いるとして解消を求めたが、衆院で比例中心になれば、議員は票の稼げる都市部ばかりを重視し、地方の声は完全に置き去りにされる。衆院で地方の代表性を希薄化させながら、参院で地方の不公平解消を叫ぶ姿勢は二枚舌と言わざるを得ない。また、比例代表は政党名での投票が基本となるため、当選順位を握る党幹部の権力を肥大化させ、「国民ではなく党の顔色を窺う政治家」を量産する弊害もある。

何より見過ごせないのは、近年の国政選挙で壊滅的な敗北を喫し、議席を半減させている共産党の現状だ。小選挙区での勝利が絶望的な今、比例中心への移行は、先細る組織票でも確実に議席を「死守」するための唯一の延命工作に他ならない。

山添氏の提言は「民意の反映」という綺麗事でコーティングされているが、その本質は自党の消滅を回避するための身勝手なサバイバル戦略である。一政党の延命のために国家の統治基盤を揺るがすような主張は、断じて受け入れられない。




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