
日本企業の賃上げは依然として不十分である——利益拡大と給与水準の乖離こそジャーナリズムの見せどころなのでは?
日本の大企業は近年、過去最高益を更新し続けている。上場企業の純利益は2027年3月期に前期比14%増と大幅上振れする見通しで、内部留保も積み上がる一方だ。
にもかかわらず、労働者への還元は極めて限定的である。確かに春闘で名目賃上げ率は3年連続5%超を記録したが、これは長期間の低迷からの「追いつき」に過ぎない。
むしろ、2022年から始まる物価高騰分を差し引いてみると非常に弱いうえに、利益の伸び率や株主還元の規模と比べれば、賃金への配分は明らかに小さい。実質賃金は物価上昇に押し負け、生活実感としての改善は乏しい。
企業は「人手不足対応」を理由に賃上げを語るが、それは必要最低限の防衛策に過ぎない。賃上げの多くは若年層の初任給引き上げに偏る傾向も見られる。
生産性向上や価格転嫁で得た利益を、もっと大胆に賃金へ回すべきだ。
利益優先・内部留保優先の体質を改めない限り、「賃上げが進んでいる」という認識の浸透は進まない。
そもそもなぜこんなに企業の賃上げが進まないのか?という要因の一つに賃上げ不足に対する日本のジャーナリズム的追求の弱さがある。
日本企業が利益を大幅に伸ばす一方で賃金還元が不十分な実態に対し、ジャーナリズムの追及は極めて弱い。
大企業の最高益更新や内部留保の増加は報じられるが、「なぜその利益が労働者に十分回らないのか」という本質的な問いが深掘りされることは少ない。
春闘の賃上げ率を「高水準」と表面的に称賛する報道が目立ち、実質賃金の低迷や業種・年齢層による格差、株主還元との優先順位の偏りについては、批判的な検証が不足している。
労働分配率の長期低下や国際比較での遅れを鋭く問う姿勢が欠ける。
結果として、企業にとって都合の良いナラティブが広がりやすく、労働者側の不満や構造的な問題が十分に可視化されない。
ジャーナリズムが権力や大企業への監視機能を十分に果たしていない現状は、賃上げ不足の実態を覆い隠し、議論の深化を妨げている。
挙句の果てには企業からの広告やPR予算を経て、経営者を適当なストーリーで持ち上げる記事や番組を作っている。ジャーナリズムはそれでいいのだろうか?
デフレ経済にすっかりなじんでしまったのは政治家だけでなく、メディアもなのである。競争の少ない環境でクライアントを維持するために保守的な論調を維持する体たらくである。
国民の暮らしが厳しい中、週刊誌の偽情報に多くの時間を割く野党議員と連動している一部メディアは話にならないが、まともなジャーナリストも残っていることを期待する。
中東の情勢含めて、物価は上がり続けている。消費者物価の先行指標である企業物価指数も前年度ベースで7.2%上昇である。
インフレの波で好業績上げている企業は即座に給与に反映させていくべきである。大企業こそ、率先して範を示すべきである。
中小企業に賃上げ率で負けている場合ではないのである。マスメディアも大企業の賃上げ姿勢を厳しく追及していくべきである。
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