
赤旗「6割引き」の雑な比較 2420円と1000円を並べるだけで「違反疑い」?
「しんぶん赤旗」が、沖縄県知事選をめぐる古謝玄太氏側の集会について、「1人1000円の飲み放題が本来2420円から約6割引き」と報じ、公職選挙法違反の疑いを指摘した。しかし、この「6割引き」という比較には、検証すべき大きな問題がある。
ホテル・モーリアクラシック沖縄の公式プランを見ると、2420円は12種類・2時間の「プレミアム飲み放題」。一方、スタンダードは7種類・2時間で1650円だ。
これに対し、古謝氏側の新垣よしとよ県議は、2420円のプレミアムプランを利用したのではなく、1650円のスタンダードをベースに、提供時間を2時間から1時間に短縮するなど内容を変更し、ホテルと交渉して1人1000円で合意したと説明している。参加者からも1000円を徴収し、差額を主催側が補填した事実はないという。
もちろん、この説明だけで「問題なし」と断定することもできない。実際の契約書、請求書、提供内容、支払いの流れを確認する必要がある。公選法上の問題となるかどうかは、単純にホテルの定価より安かったかではなく、実際に誰がどの程度の利益を負担したのかが重要だからだ。
ところが、2時間のプレミアムプラン2420円と、時間・内容を変更した可能性がある1000円の個別契約を同じ商品として「約6割引き」と表現すれば、読者には「2420円の商品を1000円で提供した」という印象が強く残る。比較対象が同一でない以上、この数字を違法性の根拠のように扱うことには慎重さが求められる。
一方、この知事選では、玉城デニー知事が告示5日前の総決起大会で「3万票を取るため」に電話や声掛けを求めた発言も問題になった。本人は「勢いによって出てしまった言葉」「以後、気を付ける」と釈明している。告示前の選挙運動は禁止されており、この発言についても、事前運動に当たる可能性を含めて丁寧な検証が必要だ。
日本共産党は玉城氏を支援しており、赤旗はその機関紙である。だからこそ、相手候補側の問題を追及するのであれば、自陣営側に関わる問題についても同じ基準で検証する姿勢が求められる。
飲食費の問題を調べること自体は正しい。しかし、「6割引き」という強い数字を掲げるなら、まず何と何を比較したのかを正確に示すべきだ。定価表だけで結論を急ぐのではなく、実際の契約と支払いを確認する。それが報道に求められる最低限の公平さではないだろうか。
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