
笹川財団の外国人登用提言を小泉防衛相が否定 「考えていない。日本国籍者に限ってきている」
笹川平和財団の研究会が9月2日、自衛隊への外国人登用を検討するよう求める提言を小泉進次郎防衛相に提出した。これに対し小泉氏は4日の記者会見で、「考えていない。従来から応募資格を日本国籍を有する者に限ってきている」と明確に否定した。人材確保の重要性を認めながらも、「何よりも優先すべきは今いる隊員だ」と述べ、現役隊員の処遇改善や業務の見直しを優先する考えを示した。
笹川平和財団の提言は、外国人の登用対象を戦闘行為など「公権力の行使や国家意思の形成」に当たらない業務に限定し、国籍も同盟国・同志国などに絞ることを想定している。人手不足への対応策として一定の合理性を検討する余地はあるだろう。
しかし、自衛隊を一般企業の人手不足と同じ基準で考えることには慎重であるべきだ。自衛官は特別職の国家公務員であり、自衛隊の業務には装備、通信、基地運用など、安全保障上慎重な取り扱いを必要とする情報が幅広く関係する。戦闘任務に直接携わらない業務であっても、情報保全や組織内の信頼関係、外部からの工作への備えなどを考慮しなければならない。
そもそも自衛隊の人材不足への対応で優先すべきなのは、国籍要件を緩和することではない。まずは現在勤務している隊員が長く働ける環境を整え、処遇を改善し、過重な業務を見直すことが先である。
国家防衛を担う組織だからこそ、人手不足を理由に採用の前提を安易に変えるべきではない。2日の提言全体について小泉氏が「タイムリー」と評価したことと、外国人登用について否定的な判断を示すことは矛盾しない。提言の中身を個別に吟味したうえで、採用すべきものとそうでないものを切り分けたと見るべきだろう。
「何よりも優先すべきは今いる隊員」という小泉氏の発言は、自衛隊を単なる人手不足の職場として扱わないという意味でも、極めて当然の判断である。人材確保を急ぐからこそ、まず日本国籍を有する隊員の定着と処遇改善に力を注ぐ。それが防衛力の基盤を守る、筋の通った対応ではないだろうか。
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