「嫌いだから交代」は違う? 自民・石井参院幹事長の交代を「聖域崩し」と報じる違和感




自民党の参院幹事長人事をめぐり、石井準一氏が交代し、後任に青木一彦氏を起用する方針が報じられた。高市総理との距離が指摘されるなか、「嫌いだからといって絶対に触るべきでない」」「聖域を崩した」と、まるで総理が圧力をかけたかのような報道も出ている。

しかし、今回の人事を「嫌いだから交代させた」という話にしてしまうのは、少し違うのではないか。

そもそも、参院幹事長の人事を決めるのは参院側である。報道によれば、松山参院議員会長が石井氏に再任しない意向を伝えたという。高市総理との関係が人事に影響した可能性は考えられるが、だからといって「総理が圧力をかけた」と断定するのは別の話だ。

むしろ、政府と参院執行部の間に距離があるとされるなか、参院会長が今後の国会運営を考えて人事を判断した可能性もある。予算の年度内成立をめぐって総理と石井氏の間に溝があったとされるなら、その関係に配慮することは、必ずしも悪いことではない。

政府と党の国会運営担当者が同じ方向を向いていなければ、予算や法案の審議に影響する可能性がある。円滑な国会運営を目指すのであれば、意思疎通の改善を図ることは重要だろう。

もちろん、石井氏には野党との調整という役割があり、交代すればすべてが円滑になると決まったわけではない。青木氏が今後、官邸との連携と野党との調整をどう両立させるかが問われることになる。

それでも、「聖域を崩した」という表現には違和感がある。参院幹事長が重要な役職であることと、特定の人物を交代させてはいけないことは別の話だ。

水面下で何があったかは分からない。だが、表向きには参院側の判断として行われた人事である。

問われるべきは、誰が誰を嫌っているかではない。政府と参院自民党が今後、円滑な国会運営を実現できるかどうかではないだろうか。




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