
玉川徹氏「日本のメディアもお手本に」→その指摘、ピントがずれてませんか? 米政府と日本政府の対応は同じですか?
テレビ朝日系「モーニングショー」が、トランプ米大統領によるCNN、MS NOW、ポリティコのホワイトハウス取材禁止を取り上げた。3社は取材を制限されたことを受け、米政権を提訴するなど反発している。
番組で玉川徹氏は、米メディアが政権に巻き込まれることを拒み、共同で対応したことを評価。「日本のメディアはそこまでの対応ができるか」「アメリカのメディアは、権力に巻かれるものではないということを体現している。これを私たちはお手本にしなければいけない」と語った。
しかし、ここで一つツッコミを入れたい。
「いや、比較するところ、そこですか?」
今回、米メディアがここまで強く反発した最大の背景には、トランプ政権が報道内容を問題視し、特定の報道機関をホワイトハウスから締め出すという政府側の対応がある。記者証まで無効化され、取材そのものが制限されたのである。
では、日本政府はどうなのか。
政権に批判的なメディアだからという理由で、特定のテレビ局や新聞社を首相官邸から締め出したのか。記者証を取り上げ、取材を禁止したのか。
少なくとも今回の米国の事例と同じような対応を日本政府が取っているわけではない。
だとすれば、まず比較すべきなのは「米国メディアと日本メディア」ではないだろう。米政府がメディアに何をしたのか。そして日本政府はメディアに何をしているのか。そこを比べなければ、そもそもの前提が違ってしまう。
米国では、政府によって取材機会を制限されたメディアが「それは認められない」と声を上げている。もちろん、その対応を評価するのは自由である。
しかし、その状況をそのまま日本に持ってきて「日本のメディアもお手本に」と言われても、「そもそも日本政府は特定メディアを締め出していませんよね?」という話になる。
米国政府と日本政府の対応が同じではないのに、米国メディアと日本メディアだけを比較して「日本のメディアも見習え」とするのは、どうにも論点がズレているのではないか。
メディアの権力監視を語るのであれば、なおさら重要なのは、感想ではなく「誰が何をしたのか」という事実である。玉川氏には、ぜひそこまで含めて比較してもらいたいところである。
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