
なぜここまで東大総長選考が炎上? 意向投票1位を覆した説明は十分か…広がる憶測、議長・国谷裕子氏にも疑問の声
東京大学の次期総長選考をめぐる騒動が、いまだ収まっていない。
9月28日、東大の総長選考・監察会議は藤垣裕子氏を次期総長予定者に選出した。しかし、学内の意向投票では染谷隆夫氏が1107票を獲得して1位となり、藤垣氏は553票の2位だった。得票率でも染谷氏は51・0%、藤垣氏は25・5%である。つまり、意向投票では大きな差がついていた。
もちろん、意向投票だけで総長が決まる制度ではない。東大側も、候補者の資料や所信表明、面接、意向投票などを総合的に判断すると説明している。国谷裕子議長も、選考会議が主体的に判断することを重視したと説明した。
問題は、その「総合的な判断」の中身である。
国谷氏が示した藤垣氏の選出理由は、文理融合や学内外のコミュニケーション、より開かれた大学への変革を実現する能力などであった。しかし、これだけでは、意向投票で1位となった染谷氏を上回る決定的な理由が何だったのか、具体的には見えにくい。
国谷氏自身、選考過程や考え方について、できる限り説明可能な選考とすることを重視したと述べている。それだけに、説明が抽象的なままであれば、「なぜ1位ではなく2位なのか」という疑問が残るのも無理はない。
そして現在、ネット上では「国谷氏と藤垣氏は思想的に近いのではないか」「ジェンダーを考慮した女性優遇ではないか」といった憶測まで広がっている。さらには「東大が左翼に支配される」といった極端な声まで出ている。
もちろん、こうした見方を事実として断定することはできない。国谷氏は性別について選考会議で議論の対象にならなかったと説明している。
だからこそ必要なのは、憶測を批判するだけではなく、憶測が広がる余地をなくすだけの説明ではないか。
日本を代表する最高学府のトップを決める選考である。2位の候補を選ぶこと自体が問題なのではない。1位を覆すほどの判断だったのであれば、その根拠をできる限り具体的に示す。それこそが、東京大学に求められる透明性ではないだろうか。
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