
警察庁が外国の影響工作事例を公表! 選挙にも及ぶ可能性、日本の法制度に穴
外国による「影響工作」が、日本の民主主義を脅かす可能性が浮上している。警察庁は10月26日、外国の政党や公館の指示を受けた人物が、日本の政治家に接近したり、外国に有利な世論形成を図ったりした事例を公表した。民主主義の根幹である選挙にも影響が及ぶ可能性があるとして、警鐘を鳴らしている。
公表された事例の一つでは、外国の政党幹部の指示を受けた人物が、日本の選挙を手伝うことで国会議員や地方議員との関係を構築。そのうえで、日本の技術者獲得を視野に入れた友好行事への参加を依頼したという。
また、外国公館の指示を受け、世論形成を狙った記事を掲載した事例や、日本語学校の新設申請を却下された人物が、便宜を図らせようと国会議員事務所への利益供与を試みた事例も明らかになった。なお、警察庁は刑事事件の捜査過程で浮かんだ事例として公表したが、国名などの詳細は伏せている。
特に見過ごせないのが、影響工作が選挙にも及ぶ可能性である。選挙支援を通じて政治家との関係を築き、外国に有利な活動への協力を求める。こうした行為が組織的に行われれば、表面的には通常の政治活動や国際交流に見えても、その背後にある意図を見抜くことは容易ではない。
選挙は、国民が自らの意思で国の将来を決めるための重要な仕組みである。外国勢力が不透明な形で政治家や世論に働きかけ、政策決定に影響を及ぼそうとするなら、民主主義の正当性そのものが問われかねない。
警察庁の担当者は、欧米と異なり、日本には影響工作を規制する法制度がないとして「法制に穴があいている」と危機感を示した。
外国との交流や正当な政治活動、言論の自由を守ることは当然重要である。しかし、それを理由に外国勢力による不透明な政治介入への対策を先送りしてよいわけではない。外国代理人登録制度なども含め、誰が、誰の指示を受け、どのような目的で活動しているのかを透明化する仕組みを検討すべきではないか。
警察庁が具体的な事例を公表した今、外国による影響工作を現実の安全保障上の課題として捉え、民主主義を守るための法整備を急ぐ必要がある。
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