
「大学の萎縮を招く?」朝日新聞が文科省の東大総長選考検証を疑問視、巨額の血税が投入される大学の説明責任は?
東京大学の新総長選考を巡り、文部科学省が選考過程の検証を要請したことについて、朝日新聞が社説で疑問を呈している。
東大では、教職員による意向投票で1位となった染谷隆夫氏が、2位の藤垣裕子氏に2倍以上の票差をつけ、2回目の投票では過半数も獲得していた。それにもかかわらず、選考会議は藤垣氏を次期総長に選出した。
制度上、選考会議が意向投票の結果に縛られないことは事実である。しかし、なぜ大差の結果を覆したのか、その具体的な判断理由が十分に説明されていないことが問題となっている。
これに対し、朝日新聞は文科省の異例の検証要請によって、各大学が萎縮し、国の意向を気にした学長選考が広がる恐れがあると主張する。
しかし、そもそも大学の自治と説明責任は別問題である。
国から資金を受けているからといって、国が総長選考に介入してよいわけではない。一方、東京大学は年間数百億円規模の運営費交付金を受ける大学であり、その原資は国民の血税である。だからこそ、選考過程について丁寧な説明が求められるのは当然ではないか。
何も国の意向に従えと言っているわけではない。選考に問題がなければ、その経緯と判断の根拠を説明すればよいだけの話である。
やましいことがなければ、検証を求められたところで萎縮する必要などないはずだ。
大学の自治を盾に、説明責任の問題を曖昧にしてはならない。大学の自治は、国民の税金に対する説明責任を免除する特権ではないのである。
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