中国、ウイルス警告医師の死で情報統制か「医師の死を一度報じた後、一転して存命を伝え、その後再び死亡を報じていた」 報道錯綜に批判
【AFP=時事】中国で、新型コロナウイルスの流行について警鐘を鳴らした李文亮(Li Wenliang)医師(34)の死をめぐる報道に対し、怒りの声が上がっている。中国メディアは医師の死を一度報じた後、一転して存命を伝え、その後再び死亡を報じていた。
中国の政府系大衆紙、環球時報(Global Times)と国営の中国中央テレビ(CCTV)は当初、中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」上で、李医師が6日夜に死亡したと伝えた。このニュースは微博上で一躍注目のトピックとなったが、両メディアの投稿は後に削除された。
中国メディア各社はその後、李医師が「緊急治療」を受けていると報道。最終的に7日午前3時(日本時間同4時)ごろ、医師の死亡を伝えた。
6日夜、ウェイボーではハッシュタグ「李文亮医生去世」(李文亮医師が死去)が検索ランキングで首位となり、閲覧回数は10億回、コメント数は110万件を超えた。だがこのハッシュタグは7日朝までにトレンド上位20位から姿を消した。香港大学(University of Hong Kong)で中国の検閲パターンを研究している傅景華(Fu King-wa)准教授はAFPに対し、「ランキングは操作されたようだ」と指摘した。
傅氏によれば、李医師死亡のニュースの扱いは、中国共産党を批判し獄中死したノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者の劉暁波(Liu Xiaobo)氏死去時に行われた検閲と「類似している」という。傅氏は「李氏死去のニュースの扱いでみられた不規則性は政治的動機に基づいたものとみられている」と語った。
微博のユーザーらは、李医師の死去に関する投稿やコメントが同サイトやメッセージアプリ「微信(WeChat、ウィーチャット)」上から消去されていると訴え、検閲によって世論を抑え込もうとする試みだとする怒りの声が上がった。
傅氏は7日、フェイスブック(Facebook)への投稿で、微博では「『武漢』や『流行』に関する投稿数は一定数を維持している一方、『隠蔽(いんぺい)』(454%増)や『検閲』(75%増)は急増している」と明らかにした。
さらに微博のユーザーらは6日夜、国内の報道関係者らに対して李医師の死亡を大々的に報じないよう求めた「報道指示」とされる通知のスクリーンショットを投稿。匿名を条件に取材に応じた中国経済誌・財新(Caixin)の記者は、「こうしたいわゆる非公式通知は近年、中国メディアでよくみられる検閲手段となっている」と語った。
この通知は流出したものとみられるが、AFPはその信ぴょう性を確認できていない。通知では、メディア関係者に対し「この件についてプッシュ通知機能を使用したり、コメントをしたり、大げさに報じたりしないように」と指示していたほか、当局者に対して「有害な情報を厳重に抑え込む」よう求めていた。
このほか、さまざまな国営メディアの記者5人が匿名を条件にAFPの取材に応じ、ここ数日の間で、ウイルス関連の救援活動の成果を示す「明るい話題」に注力するよう要請されたと明かした。【翻訳編集】 AFPBB News
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200208-00000002-jij_afp-int
ネットの反応
・どんなに情報統制しようとしても、これだけSNSが発達した今、国民の目をあざむくことは、もはや不可能です。しかも今回は人間の生死に関わる最重要の問題です。
中国のSNSでは、ふだん政治にほとんど関心のない人々も、今回はキャンドルの写真や、李医師の陳述書の写真などを貼りつけて、強い追悼の気持ちを表しています。政府が隠そうとすればするほど、国民の怒りは強くなるでしょう。李医師の件について、政府は今から調査すると言っているそうですが、「今さら」という国民の怒りと悲しみ、そして、やりきれない気持ちは消えません。
・情報が統制され、操作される国だから、感染者数、死亡者数も実際は発表されている数倍いると思ってしまう。日本はもっと危機感をもっていい。心配しすぎるということはない。
・どう考えても、口封じ、または粛清としか思えない。
一連の対応のずさんさとそれを隠蔽しようとする体質で、今迄、言論を押さえつけて来た反動がこれを機に噴出しそうな勢いだ。
既に、武漢のある湖北省のあちこちでは政府・当局に対するデモが繰り広げられているという。
・中国のような大きな国を治めるには、一定の情報統制は必要だとは思いますが、今回のような待ったなしのような時は、国民の不安を煽らず、いかに早急に情報を流すのが、政府や役人の役目だと思う。
なのに隠蔽して、具体的な対策も取って来なかったからこうなった。
習近平もだけど、中国共産党の人たちには大きな責任がある。
・こういうニュースを見ると、あらためて
香港や台湾を世界が守らないといけないと思いました。
この感染は明らかに人災。
お亡くなりになったドクターのご冥福を心からお祈りします。
・表現の自由や報道の自由がない国ならではの現象だ。事実をありのままに口に出すことができないという事が、どういう事を引き起こすのか、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を見れば、よく分かるだろう。
国や役人の面子を優先した結果、とても貴重な病気の最初期の情報を封印してしまい、爆発的な感染拡大を引き起こしてしまったことへの反省をしないといけない。
2003年のサーズの流行拡大から、何も学んでいないし、何も汲み取っていない様に見える。
・コロナの件が出て来てから
香港のデモの話が一切報道されなく
なったニュースでも何も言わなくなった
何故?
デモは終わったの?
コロナが収束した頃
香港のデモ指導者達がみな居なくなって
いたりしてね。
コロナで亡くなったって事にして。
・口封じなら生かしておいた方が良かったと思う。もしも中国政府の手がかかっての死亡なら逆効果でしたね。生かしてデマでしたとか治ってこの通り健康な人は大丈夫とか動画で言わせたらよかったと思うけど、もうウイルスが蔓延して大変なことになってるもんね。
というか、医師が亡くなったのもあるけど、34歳でおそらく持病なしの人、医療関係者が亡くなってるのもそこそこ衝撃だよ。
・SARSの時同様隠蔽体質は国家レベルで変わってないって事でしょ?
経済発展してる中、こんな事起きて経済発展が頓挫したら中国としては大打撃だもの。
だけど、その体制が仇になったと今回は思う。
金積んでWHOを抱き込んだ様だけど世界からの批難はSARS以上だと思うよ。