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PCR検査&ダイヤモンドプリンセス号対応を理解できていない野党とメディア

ダイヤモンドプリンセス号に端を発した新型コロナウイルス感染者の増加。その増加を受けて、順次行っている乗客のPCR検査を一部マスコミは、一斉に検査しろと主張し始めた。しかし、実はPCR検査にも多くの問題があり、そう簡単ではないことがわかっている。

また、ダイヤモンドプリンセス号に対しても多くの誤解がある。

PCR検査の概要

新型コロナウイルスの感染の有無を調べる際に用いられるのが「PCR検査」だ。PCR検査とは、特定のウイルスの遺伝子を増殖させて判別する方法で、増殖すれば陽性、増殖しなければ陰性とするのである。(参考

しかし、新型コロナウイルスともなれば、簡易の検査キットがあるはずもなく、遺伝子レベルで検査することになる。

必要となる遺伝子は、当初は中国から開示されたゲノム情報に基づき、コンベンショナルPCR検査を実施してきた。検査を実施すると同時に、地方衛生研究所においても、検査が実施可能になるよう検査体制を整え、1月23日には、試薬を国立感染症研究所から配布した。

1月24日には、検査方式をリアルタイムPCR検査に変更した。リアルタイムPCR検査は、文字通りリアルタイムでDNA複製過程を測定する方法だ。この方法は、DNA断片の確認作業を省けるといった利点もある。

これはかなりのスピード対応であることが素人でもわかる。

PCR検査全能主義?!検査すれば一件落着ではない!!

そして、このPCR検査をクルーズ船の乗客全員に実施するべきだという声が野党・メディアから主張された。

これについて加藤勝信厚生労働大臣がPCR検査の「役割」についてわかりやすく説明している。

つまり、PCR検査をやったからといって観察期間が終わるわけではないのだ。無責任な野党・メディアが政権批判をしたいがために、言っているに過ぎない。

2月17日には、厚生労働省が、PCR検査の検査能力の拡充について発表した。

そんな野党・マスコミから多大なる信頼を勝ち得ているPCR検査だが、BBCが気になるニュースを報じている。

別のシナリオとして、患者は確かに新型ウイルスに感染していたが、非常に初期だったので、検知できるほどの量がなかったという可能性もある。

(中略)

検査では患者の喉を綿棒でぬぐうが、良いやり方もあればそうでもないやり方もある。「だらりとさせただけか、それともしっかりこすったのか」では違うと、マクダーモット博士は問う。

さらに、検体を正しく保存し取り扱わないと、うまく検査できない場合もある。喉の裏側から検体を採取するのは、果たして効果的なのかについても、議論がある。

新型コロナウイルスによる症状は、肺の奥深くで起きている感染症だ。鼻や喉ではない。とはいえ、もし患者がせきをしているなら、ウイルスはいくらか喉まで上がってきているだろうし、そうすれば発見できるはずだ。

引用元 新型ウイルス検査には欠陥があるのか? 7回目で初めて陽性の例も

感染者が咳をしていれば、ウイルスが喉まで上がっていき、発見ができるというならば、その逆、無症状の感染者を発見することは容易ではないはずだ。

つまり、加藤厚労相が、言うところの「補完的な作用」しかPCR検査は担うことが出来ないことになる。そして、当然のことながら、観察期間が終了するわけではない。

PCRキットがあってもマンパワーが足りない現状!!

PCR検査を万能とでも思っているメディアだが、次のような記事まで出している。

新型コロナウイルスに感染しているのかどうか、それを確定させるものとして行われているのがPCR検査ですが、現在、その検査ができるのは全国で100の公的機関で、その検査数も1日に1000件程度にとどまっています。

(中略)

北里大学病院では2人ほどの技師がPCR検査にあたる予定です。それでも1日に対応できるのは60件ほどということになりますが、もっと多くの検査をするにはマンパワーが必要だとしています。

引用元 「PCR検査」の実情と限界…新型コロナ拡大防止へ

PCR検査で陰性との結果が全てではない。

今までの国内感染者を見ても「陰性→陽性」に変わった事例はあった。PCR検査をすれば安心というわけでもないことは明白である。

症状が出た人、濃厚接触者を中心に限られたPCR検査という資源を使う方が合理的だ。野党・メディアは、PCR検査が全能とでも思っているようだが、彼らの主張の向かう先は、いついかなる時でも政権批判しかない。

ダイヤモンドプリンセス号に関する誤解

最後にダイヤモンドプリンセス号に関する誤解も指摘しておこう。

ダイヤモンドプリンセス号は英国船籍であり、旗国主義に基づいて英国法が、日本の領海に入るまで適用される。

つまり、領海に入るまで、日本政府として、感染の拡大防止のための措置を執ることが不可能だった。その間、船の中では、WHOから緊急事態宣言が発せられた後も、十分な感染の拡大防止の措置を執られなかったのである。船内で感染が確認された後も、クルーズ船は、レストランを始め、船内施設は通常営業していたとされている。

本格的に感染拡大防止策が執られ始めたのは、日本の検疫官が「臨検検疫」をした後だ。つまり初動対応に失敗したのはクルーズ船側だ。つまり英国側である。そして、日本政府は、国際法上の義務でもなく、どの国も二の足を踏み、入港を拒否する中、自国民保護と国際人道上の理由で、あえて受け入れたのである。

今回の日本政府の対応は、国際法上の義務でもなかったため、その後の各国の要請に対して柔軟に対応し、下船要請がある国籍国からある場合には下船させ、当該国に引き渡しを行ってきた。

今回の厚生労働省の対応には問題もあるが、このような英国法のもと手遅れとなった状態で船が入港してきた事実は忘れてはならない。


野党・メディアが垂れ流すPCR検査。彼らの言い分に乗せられること、すなわち不要な不安を増長するだけだ。

また、今回のダイヤモンドプリンセス号のような集団感染が疑われる船舶に、どの国が責任を持って対応するのか、国際的なルール作りが急務だが、この騒動が落ち着いた後は、そうした議論こそ行うべきである。


※各地の相談センターはこちら

新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター(厚労省HPに飛びます)

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