安倍総理が打ち出した世界最大級108兆円の緊急経済対策【総論編】

ついに緊急事態宣言が発令された!この新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、我国の経済に甚大な影響をもたらしている。

諸外国の新型コロナウイルスの状況は、新型コロナウイルスがパンデミックの状態にあり、欧米各国では都市封鎖や外出制限といった措置が執られ、グローバルなヒトやモノの流れが急速に収縮している。

その影響も日本に及び、日本のモノ・サービスの輸出全体も大幅な縮小が見込まれている。

新型コロナウイルスの影響が経済に暗い影を及ぼそうとしている中、それを食い止めようと、安倍政権は過去最大の事業規模となる108兆円の緊急経済対策を打ち出した。

安倍総理が記者会見で語った決意、そしてその中身

緊急事態宣言が発出された日の夜、安倍総理は総理会見に臨んだ。そして総理会見で、決意を語った。

緊急事態としての措置を講ずる以上、当然、経済活動への大きな影響は避けられません。もとより、今でも多くの中小・小規模事業者の皆さんが事業継続に大きな支障を生じておられます。世界経済だけでなく、日本経済が、今、正に戦後最大の危機に直面している、そう言っても過言ではありません。

 その強い危機感の下に、雇用と生活は断じて守り抜いていく。そのために、GDP(国内総生産)の2割に当たる事業規模108兆円、世界的にも最大級の経済対策を実施することといたしました。困難に直面している御家族や中小・小規模事業者の皆さんには、総額6兆円を超える現金給付を行います。1世帯当たり30万円に加え、次の児童手当支払に合わせ、1人当たり1万円を追加することで、お子さんの多い御家庭の家計もしっかりと下支えします。

引用元 令和2年4月7日 安倍内閣総理大臣記者会見

安倍総理は、国民の生活を守り抜くため、世界的に見ても最大級の108兆円もの経済対策を練り上げた。

緊急経済対策は、2段階を意識している。

まず1つ目、それは新型コロナウイルスの感染拡大の収束の目途が付くまでに国民や企業を生き延びさせる「緊急支援フェーズ」、2つ目は「V字回復フェーズ」だ。

「緊急支援フェーズ」では、新型コロナウイルスの早期収束に強力に取り組むとともに、その後の力強い回復の基盤を築くためにも雇用と事業を守り抜く。

「V字回復フェーズ」では、収束後の反転攻勢に向けた需要喚起と社会変革の推進を講ずる予定だ。

緊急経済対策の「5つの柱」

緊急事態宣言が行われた状況下で実施される世界最大級の緊急経済対策。この経済対策は、国民の命と健康、そして生活を守り抜くために「5つの柱」をもって展開される。

1. 感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発
2. 雇用の維持と事業の継続のための支援の更なる強化
3. 官民を挙げた経済活動の回復
4. 将来を見据えた強靭な経済構造の構築
5. 今後への備え

この5つを柱にしている。

1. 感染症拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発

今、国民の多くが感染の恐怖に直面している。

国民の経済活動を早期に再開するためには、感染拡大の防止と、早期の収束が不可欠だ。そのため、この緊急予算で、クラスター対策の抜本強化などの感染拡大防止策、新型コロナウイルス感染者の急増に備え、重症者の医療に重点を置く医療提供体制の早急な整備を行う。

また、研究開発を加速させることにより、新型コロナウイルスの治療薬・ワクチン等の開発を更に進める。

2. 雇用の維持と事業継続のための支援の更なる強化

雇用・事業活動・生活を守り抜くことは、新型コロナウイルスの感染が収束した後、経済の力強い回復の基盤になる。

そのため、民間の金融機関から無利子の制度融資を受けられる制度、特に厳しい影響を受けている中小・小規模事業者等への新たな給付金、収入に相当の減少があった事業者に対し延滞税等なしで納税等の猶予を認める特例などを設けることによって、支援の更なる強化を図る。

3. 官民あげた経済活動の回復

新型コロナウイルスの感染拡大の収束後、日本経済を成長軌道に再び戻すため、官民を挙げ、経済のV字回復を目指す。

大規模な支援を短期集中で行うことによって、消費を喚起し、地域の活力を取り戻す。そして、延期されたオリンピック・パラリンピックの需要の先送りを踏まえ、経済の下支えに対応する。

4. 将来を見据えた強靭な経済構造の構築

新型の感染症が、次いつ発生するのか、当然ながら誰にも分らない。その将来の感染症のリスクに備え、生産拠点の国内回帰や多元的かつ強固なサプライチェーンの構築を支援する。それと同時に、リモート化やデジタル化の取り組みを加速させる。

これは我国のデジタル化を果たすチャンスにもなる素晴らしい取り組みだ。また、感染症関連のマスクや人工呼吸器や防護服などの生産拠点の国内回帰は、現在の不足を防ぐうえで大きな意味を持つ。

5. 今後への備え

新型コロナウイルス対策に関して、予備費を創設し、新型コロナウイルスの感染状況や経済の動向に対して必要な対策を講じていくための備えを整備する。

以上が、安倍総理が決断した緊急経済対策の総論と言える部分だ。今後は、「緊急支援フェーズ」、「V字回復フェーズ」、そして、「5つの柱」に基づいて、経済対応策が、戦略的に展開されることになる。


安倍総理は、「雇用と生活は断じて守り抜いていく」と強い決意を示した。安倍総理の強い意志、そしてリーダーシップによって、この新型コロナウイルスが一日も早く収束することに期待したい。

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