デマで引き起こされる実害、そして、偽計業務妨害罪!コロナでデマを流すと最大で懲役三年です!!
新型コロナウイルスが国民に大きな不安を与えている中、デマをばら撒く連中がいる。
デマをばら撒くことによって、どんな実害が生じるのか、そしてどんな法律があり、罰則が成立するのか見ていくことにしたい。
デマで生じる実害【業務の妨げ】
新型コロナウイルスで発せられたデマは数多ある。
つい先日もこのようなデマが発信されたのは皆さんの記憶にも新しいだろう。
このデマを受けて、菅官房長官が、定例会見でわざわざ否定する事態になった。
多くの人が知っているものと言えば、「4月2日にロックダウンする」というものがあった。
菅義偉官房長官は30日の記者会見で、安倍晋三首相が近く緊急事態宣言を発出し、4月初めから都市封鎖(ロックダウン)が行われるという根拠不明の情報がインターネット上で流れていることについて「そうした事実はない。明確に否定する」と述べた。
菅長官は、きっぱりとデマを否定したわけだが、こうしたデマによって、株価や為替は大きく乱高下した。年度末に投資関係者などから流されたこともあり、こうした乱高下で大儲けすることや、中国などが日本株を買い占めるためというのが有力だ。
つまり、こういうデマは、一部の卑小な人間たちが大儲けするためや、我国に実害を与えるためにやっているのだ。
またランサーズ社に関する悪質なデマも見過ごせない。Twitterで発信された根拠のデマについて、社として刑事告訴すると声明を発表した。
一部ソーシャルメディアにおいて、日本政府が昨日実施した緊急事態宣言に関する記者会見に関して同一内容のTwitter投稿が複数回投稿され、その複数回投稿が当社サービス経由で発注された案件である、また、それを当社自身が行っていると憶測されるような事実無根の記載(デマ)がなされていますが、そのような事実は一切ございません。
(略)
このような事実無根の記載(デマ)については当社サービスに関して誤解を与える可能性が非常に高く、ユーザーの皆様に多大なご心配をおかけし風評被害が発生していることから、今後については刑事告訴並びに裁判上の手続も含めた法的対応等の断固たる措置を講じていく所存です。
このように軽い気持ちでデマをシェアしたり、リツイートすることは、罪のない企業や従業員にとって大きな負担となり、生活を苦しめるのだ。これはトイレットペーパーがなくなるという噂を流して、一儲け企んだ人間も同様だ。彼らの小遣い稼ぎのせいで、みんながトイレットペーパー不足に苦しむことになった。
デマを流すことによって成立する犯罪
デマを流された場合、その影響によって問い合わせへの対応といったことで、通常業務に大きな影響を及ぼす場合がある。これは公共組織だろうが、民間企業だろうが、関係ない。
その場合に成立する犯罪は、偽計業務妨害だ。
偽計業務妨害罪は、刑法233条に規定されている。
刑法233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害したものは、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
この条文では、二つの罪を規定している。一つが信用棄損罪、もう一つが偽計業務妨害罪だ。
「虚偽の風説の流布」は、真実と異なった内容を不特定または多数人に伝播させることをいう。「偽計」は、欺罔または人の錯誤・不知を利用すること。「業務を妨害」は、業務の経営を阻害する一切の行為が該当する。
偽計業務妨害罪の注目するべき点として、「非親告罪」であるということだ。つまり、被害者が被害を申告しなくても、捜査・起訴が行われる犯罪だ。
実際に、熊本地震の際のデマには、偽計業務妨害罪が適用されている。
熊本地震の際、拡散されたデマはこれだ。
メディアでも多く報道された熊本地震でのライオン脱走のデマ。このデマを流した人物は、のちに逮捕された。
熊本地震の直後に「動物園からライオンが逃げた」などとTwitterにうその投稿を行い、動物園の業務を妨害したとして、熊本県警は7月20日、神奈川県の会社員の男(20)を偽計業務妨害の疑いで逮捕した。男は「悪ふざけでやった」と容疑を認めているという。
この逮捕の容疑は、熊本市動植物園の職員を問い合わせ電話に対応させる等によって、業務を妨害したというものだ。
この熊本地震のデマの例を見てみても、デマによって業務を妨害した場合、偽計業務妨害罪によって検挙されることは明らかだ。
人々が不安に思っているところにデマを流すことは、人のすることではないのは自明の理だ。
そして、デマを流した側も、偽計業務妨害罪で検挙されることを理解すべきだ。重要なのは、この偽計業務妨害罪が、「非親告罪」であること。
捜査機関には悪質なコロナウイルスデマに対して、毅然とした対応で臨むことを期待したい。
ちなみにこうしたデマを流している連中に申し上げておきたいことがある。少なくともネット上の情報の場合、その発信元は国によって殆ど簡単に特定されている。ただ日本の警察は慎重なために、すぐには動いていないだけだ。
警察が簡単に動けるためにも特措法は、さらなる改訂が必要だろう。その場合、こうした連中はすぐに強制的に逮捕されるようになるだろうし、これをお読みになった国民は是非すぐにでも逮捕してもらいたいと思っていることだろう。
警察の慎重さがなくなることと、特措法のさらなる改訂を政府には、是非お願いしたい。