イギリスの対中国政策の転換!今こそ日英連携を強化すべきとき!
香港情勢をめぐって、多くの国が中国に対して批判的な立場をとっている。もちろん、香港を1997年まで租借していたイギリスも例外ではない。
香港に対して、歴史的な関係があるイギリスが、習近平国家主席の横暴に対して黙っているわけがなかった。
ありとあらゆる手で中国を牽制するイギリス
1945年から1997年まで、香港を租借していたイギリス。中国で一国二制度を揺るがす香港国家安全維持法の制定方針が発表されると、1984年の英中共同宣言に反するものと厳しく批判を行った。
そして、ジョンソン首相は、香港国家安全維持法が制定されると、速やかに香港市民300万人に対し、イギリスの市民権や永住権の申請を可能にする方針を明らかにした。(参考)
更に、中国との間で締結されていた犯罪人引渡し条約を停止することを発表した。(参考)
中国の暴走について、新型コロナウイルスの感染拡大も相成って、イギリスの対中国認識に変化が生じているとの指摘がある。
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上述したコロナに加えて、ここ数年、イギリスが掲げる外交理念の根幹を損なうような中国の行動に対してイギリスの対中不信感は増幅し続けていた。とりわけ英国防省は、南シナ海における中国の海洋行動に対する警戒感を強め、2019年における中国政府による香港への統制強化、さらには新疆ウイグル自治区における人権侵害の問題も、その流れに拍車をかけた。
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上記の指摘に加えて、イギリスは、次世代通信規格5Gをめぐって、中国の通信企業ファーウェイを完全排除する方針も打ち出しており、中国に対する姿勢を大きく転換し始めた。(参考)
イギリスが中国に対する姿勢を大きく転換している今、イギリスと更なる連携をしなければならない国がある。それが日本だ。
イギリスとの連携を一層強める絶好の機会が到来!
今回のイギリスの中国姿勢の大きな転換以前に、日本とイギリスの関係は、安倍総理の元、従前より一層強固なものになっている。
イギリスとの関係でいうと、今年は、新型コロナウイルスの影響によって、電話会談のみ(7月28日時点)だが、首脳会談・電話会談を重ねてきた。そして首脳以外でも、外務・防衛閣僚会合や日英外相戦略対話を重ね、日英関係の深化に注力してきた。(参考)
この日英関係をより一層強固なものにするタイミングが今なのだ。
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そうしたイギリスの不安定さにかんがみれば、日英で2国間の対中政策をめぐる政策対話の機会を拡大することが日英二国間関係にとっても重要なステップとなるであろう。これまで対中政策で必ずしも完全に認識が一致してきたわけではなかった日英両国政府の間で、中国との関わり方について意見交換をする機会が増えれば、両国にとってどの分野で共同戦線を張ることができるかも、おのずと明らかになるであろう。また、目指すべき協力分野が特定されることで、より実効的な協力が追及されていくのではないか。
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中国問題に向き合うという共通課題が見えたことで、これに基づいて両国の協力を再定義して新たな次元に導き、国際社会に具体的な行動を示していくことが、両国、国際社会に追うべき責任なのではないか。
イギリスは、中国の横暴に対して、香港を有していたという歴史的な責任を負っている。一方、日本は、東アジアの盟主として地域的な責任を負っている。
この両国が、連携を深め、結束して中国に対して挑むことが、中国の横暴を止める有効な一手になることに疑いの余地はない。
日英両国の関係を深化させたのは、安倍総理の外交力の賜物。安倍総理には、日英関係のより一層の深化のために、尽力して頂きたい。