「危機」をことさら主張する日本医師会の中川会長。民間病院の活用は??医師の人数が少ない原因は??中川会長が言っていることは共感を生みますか??
日本医師会の中川会長が記者会見を頻繁に開催し、医療の危機的状況を訴えている。1月27日に開いた記者会見では、緊急事態宣言について言及した。
中川会長は、2月7日が期日の緊急事態宣言について「解除は現実的ではない」と発言をし、さらには「決して気を抜ける状況ではない。解除は極めて慎重にすべきだ」とも発言した。
しかし、だ。医療現場を窮地に追いやっているのは誰なのか。それは中川会長にも責任がある。中川会長は、民間病院を活用する意思はないのか!
加害者が被害者ぶり、しかも原因を無視して医療崩壊・壊滅と言い触らすのは滑稽でしかない。
民間病院の活用に消極的な中川会長!!
新型コロナの感染拡大を受けて、日本医師会長の中川会長の記者会見がメディアによって報道される機会が増えた。
中川会長が記者会見で漏れなく言及しているのが、医療の危機的状況だ。「医療が危機だから、外出自粛」をお願いしている光景を何度も見てきた。
しかし、医療の危機的状況を招いたのは、新型コロナだけではない。中川会長の手腕にも問題があるのだ。
多くの専門家が指摘しているように、1億2000万人という先進国で2番目に人口が多く、病床や医療機関の数は世界一というほど溢れかえっている日本の医療が、1000人という先進国で桁違いに少ないコロナ重症患者数で「崩壊」してしまうほど脆弱なのは、日本医師会の会員の大半を占める民間病院の経営者が、要請を受けてもコロナ患者の受け入れを拒否していることが大きい。
医療崩壊、医療崩壊とそこまで騒ぐのなら、地域によっては10%しか民間病院が協力しない現状を変える努力もすべきだ、というもっともな指摘である。
もちろん、設備も人員もない小さな個人経営のクリニックでコロナ患者を受け入れることは難しいだろうが、コロナ治療に対応できるICUなどの治療設備や専門医のいる、それなりの規模の民間病院でも、軽症・中等症患者はおろか、発熱した患者の受け入れさえ拒否するケースも相次いでいるのだ。
中川会長は「医療崩壊・壊滅」を記者会見で言及する前に、指摘されているような民間病院が、新型コロナ感染患者の受け入り拒否している状況を改善するほうが先決ではないのか。
規模と設備の関係で新型コロナ感染患者を受け入れることが難しいところに、無理に「受け入れろ」とは誰も言わない。
だが、受け入れることが出来るのに受け入れない民間病院に対して、中川会長は受け入れ要請をすべきだ。
中長期的な目標として医師増加を掲げてみては??
中川会長が幾度も口にする「医療崩壊・壊滅」。それは、新型コロナの感染者数の増加、そして人材不足が原因だが、医師の不足については、中川会長に責任はないのか。
東日本大震災の復興特例として、東北薬科大に医学部が新設されたが、この新設は、なんと37年ぶりだった。大学の新設は進んだ一方、医学部が創設されなかったのには、日本医師会の影響があるとの指摘がある。
なぜ大学はたくさんできていたのに、こんな長い期間、医学部がつくられなかったのかというと、日本医師会が組織をあげて「反対」を表明していたからだ。2015年5月31日の「緊急声明」のなかには、「地域医療の再生をさまたげるおそれがあります」「医学部新設は国際機関から世界一と評される日本の医療を崩壊に導きます」とこれでもかという恐怖訴求が並ぶ。
つまり、中川会長が言うところの「医療崩壊・壊滅」の底流には、過去の日本医師会の方針が影響しているのだ
日本医師会の代議員には多くの開業医が選ばれている。勤務医は少数派だ。(参考) 新型コロナと最前線で闘っている勤務医を無視し、開業医を守ろうとする中川会長の姿勢は滑稽でしかない。
日本医師会の中にも積極的に新型コロナに感染した患者を受け入れている医師はいる。中川会長は、「医療崩壊・壊滅」と記者会見で喧伝する前に、一度でいいから最前線で闘っている医師の声に耳を傾けるべきだ。
現状を打開しようとしない、そして仲間の医師を助けようとしないのならば、中川会長は、即刻日本医師会会長という座から離れるべきだ。