珍説!月刊SPAのコラム「私は過去にドタキャンで散々怒られたから五輪中止を早く表明しろ!」「声援に偏りがあるなら五輪中止しろ!」 → ホームアンドアウエーってご存じですか???
東京五輪開催をめぐり、IOCのトーマス・バッハ会長は「開催されるかどうかを臆測するのではなく、どう開くかに力を注いでいる」と述べている。(参考)
しかし、海外メディアも国内メディアもむやみに不安を煽り、五輪開催を阻もうとしている。こうした報道に対しても、バッハ会長は「東京大会の中止や代替案などの臆測があり、2032年への大会の延期を提案する人までいる。こうした臆測は相手にしない」と強い口調で述べた。(参考)
そのような中、日刊SPAが「海外の一般観客受け入れ見送りで五輪中止は必至」というコラム記事を配信したのである。
内容は、早く五輪中止を表明しろというものだが、その根拠があまりにも稚拙なものなのでご覧いただきたい。
声援に偏りがあるから中止しろ???ホームアンドアウエーって知っていますか???
日刊SPAは、東京五輪の「中止した方がいい」という理由を以下のように述べている。
いまだ中止の決定がなされない今夏の東京五輪・パラリンピックで海外からの一般観客の受け入れが見送られるようだ。しかし無観客試合というわけではなく、運よく日本に住んでいる人は観戦できる。運動などできれば死ぬまでしたくない私には想像もできないが、なんかのスポーツで勝利をした選手が、試合後のインタビューなどで謙虚に「観客席からの応援に助けられました」的なことを言うのはよく聞く。
その発言を真に受ければ、日本在住者に応援してもらえる選手だけが、その、声援ドーピングを受けられることになり、公平とは言えない。「観客が背番号12番!」なのだとすれば、片方のチームは1人少ない人数で戦わなければいけないことになる。
要するに日本人の観客が入れて海外の観客が入れない場合、日本選手にだけ歓声の後押しがあり、不公平だと述べている。
今の状況で、このような難癖を述べられても、反対ありきの意見としかとらえられない。しかも、記事では鈴木氏はスポーツにあまり関心がないようなことも述べていて、ホームアンドアウエーの事も理解できていないようだ。スポーツ界では、特に国際大会ではこのホームアンドアウエーがついて回る。日常茶飯事だ。
そんな事は選手も織り込み済みだ。
スポーツに関心がなければ選手の気持ちもわからない???
東京五輪の中止、これが日刊スパの希望であることは明白だが、あまりに客観性に欠けた主張を繰り広げている。
主観染みた主張を、日刊スパはさらに続けている。
そもそも何で五輪は音楽でも料理でも文芸でもなくスポーツなのか、と若き日の私は甚だ疑問だった。愉快でポップな私の友人たちで、スポーツの大会など見て心躍る人なんていないし、だからフジロックが話題になることはあっても五輪が話題になることなどない。
大体スポーツなんていうどうしたって男女差が出やすいものより、句会とかお茶席とかのほうが今の時代に好まれそうな気もするが、そんな一部の筋肉マンたちのためのイベントを国を挙げてもり立てるのはもちろん、心置きなく勝敗が決まるスポーツを戦争の平和的代替物にしてナショナリズム爆発を願うからだ。だとしたら、敵国不在の観客席では、お上が狙うような愛国心も爆発しないだろう。
五輪を「一部の筋肉マンたちのためのイベント」と述べていることからも、スポーツに感動も共感を得られない人物の意見だということがよくわかる。そんなことを言い出せば、書道大会も国体も卓球イベントも文学賞も全てが一部のイベントとなり不要となる。
そもそも、そのような人物に選手の気持ちが分かるはずもなく、オリンピックの意義が理解できるはずもない。
バッハ会長が「どのように開催するのか」と述べたことは、運営側だけの意見ではなく、選手も同じだ。
体操の内村航平選手は「新型コロナウイルスの感染拡大で、東京オリンピックができないと思っている人が多くいると思うが、“できない”ではなくて、“どうやるか”と考えられるように、皆さんの考えを変えてほしい。開催するのは非常に困難だということはわかっているが、アスリートと国民が同じ気持ちにならないとオリンピックはできない」と述べていて、まさにバッハ会長と同じ意見だ。(参考)
また、同じく体操の寺本明日香選手は、昨年11月に行われた体操の国際大会前に「コロナ禍の中で試合ができるのは幸せだと思う。大会に関わる全ての人たちの安全を考慮しながら、楽しんで試合ができたら」と意義を語った。(参考)
このように、選手たちはコロナ禍でも試合をしたいのだ。
アスリートファーストの気持ちがない人たちが、五輪中止論を訴え、そう言う意見をメディアが拾い上げている。
もちろん、選手たちも無理矢理の五輪開催に同意しているわけではないが、出来ることならやりたいと言うのが本心だ。
だからこそ、どうすれば安全な大会になるのか???をしっかり検討し、成功に向けて、選手、国民、組織委員会、政府が一枚岩になって、進まなければいけないのが、今一番必要なのではないか。