処理水海洋放出、東電が「極めて軽微」と評価結果をまとめる 今後はIAEAなど広く意見を募り評価を見直していく方針
東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、東電は17日、海洋放出した場合の環境や人への影響について「極めて軽微」とする評価結果をまとめた。
今後、国際原子力機関(IAEA)の専門家や一般から意見を募り、内容を踏まえ評価を見直していくとしている。
評価では、海水で100倍以上に希釈した処理水を、トンネルを通じて発電所の沖合約1キロの海底から放出する計画を想定。IAEAなどが定める手法を使って人への影響などをシミュレーションした。
年間120日漁業に従事する人が海水などから受ける放射線量を調べた結果、厳しい条件を設定した場合でも、一般人の被ばく限度である年間1ミリシーベルトの2000分の1から500分の1程度にとどまるとした。
放出した処理水の拡散状況も分析。年間を通じてみると、発電所の周囲2~3キロの海域で濃度が高いが、それ以外では通常の海水に含まれるトリチウム濃度とほぼ同じになったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/df6ea43961c45c6329a862c0ab0e5de7e4957622
東電からこのような評価結果が出るのは致し方ない事だが、重要なことは「今後、国際原子力機関(IAEA)の専門家や一般から意見を募り、内容を踏まえ評価を見直していく」ということだ。
IAEAは福島汚染水の海洋放出を巡り、7月に安全性を確認するための国際調査団を発足させ、今月9日から現地で海洋モニタリングなどを実施している。
11月9日から12日まで、IAEAによる2021年海洋モニタリングの一環として、国際原子力機関(IAEA)環境研究所の海洋モニタリングの専門家が、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所近傍における海水・海底土の採取、福島県での水産物の採取、及び採取した試料の前処理の確認を実施します。
本年の海洋モニタリングには、更なる透明性向上の観点から、韓国、ドイツ、フランスの分析機関も参加します。
この事業は、東電福島第一原子力発電所の廃炉について、2013年にIAEAがとりまとめた報告書に記載された海洋モニタリングに関する助言のフォローアップとして実施しているプロジェクトの一環です。また、本年9月に訪日したエヴラールIAEA事務次長との間でも、年内の実施に向けて作業を進めることで一致していたものです。https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000972.html
この件に関して、東電は透明性を確保し、IAEAなど、第三者の意見を広く募り、その上で安全であるという結果が出てこそ風評被害も軽減されるわけだ。また、そうでないと、韓国や中国など、海洋放出に批判的な国々も黙っていないだろう。