林外相、中国について「大国としての責任を果たすよう働き掛ける」 中国に近いとの意見に「一つ一つ仕事をしていく中で少しずつ理解を得られれば」
林外相がインタビューで中国について尋ねられると「大国としての責任を果たすよう働き掛ける」と述べた。また、日米同盟については「わが国の外交・安全保障の基軸」と答えた。
親中と言われることについては「一つ一つ仕事をしていく中で少しずつ理解を得られればと思っている」と述べた。
林芳正外相は25日、時事通信などのインタビューに応じ、覇権主義的な動きを強める中国について、「大国としての責任を果たすよう働き掛ける」と強調した。
親中派としての同氏を警戒する声があることについては「仕事をしていく中で理解を得たい」と語った。主なやりとりは次の通り。
―米中対立の中での日本の立ち位置、北京冬季五輪の外交ボイコットについての考えは。
米国との強固な信頼関係の下で、中国に対して大国としての責任を果たしていくよう働き掛けていきたい。五輪への対応は、適切な時期に諸般の事情を総合的に勘案して判断するが、現時点では何ら決まっていない。
―「中国に近い」との見方もあるが。
さまざまな意見があることは承知している。一つ一つ仕事をしていく中で少しずつ理解を得られればと思っている。
―日米同盟の果たす役割は。
日米同盟はわが国の外交・安全保障の基軸であり続けている。自らを守る体制を抜本的に強化し、果たし得る役割の拡大を図り、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していく。
―人権担当首相補佐官に、制裁を可能にする法整備を提唱してきた中谷元・元防衛相が就いた。
人権侵害にはしっかり声を上げる。一方で、民主化や人権擁護に向けた努力を行っている国とは対話や協力を積み重ね、自主的取り組みを促してきた。引き続き日本らしい人権外交を進めていきたい。中谷氏とも連携を密にしながら進めたい。
―自身の外交姿勢は。
対応力の高い「低重心」の姿勢で進めたい。国際情勢、日本をめぐる状況の変化が一段と早くなっており、しっかり対応していかなければいけない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/04c9f0ee331eaab4a62a8e91d6c247a9d40deba1
林外相については日中友好議員連盟の会長をしていたことで、「親中ではないか」という意見も多く、誤解を受けることも今後は多いだろう。しかし、本人も「仕事をしてい行くうえで理解を得たい」と述べているように、親中のレッテルは仕事で晴らすしかない。国民もそこを注視している。
ただ、対中外交に対しては、韓国のように無視をするわけにはいかないことを我々も理解しなくてはいけない。中国と激しく戦っている台湾でさえ貿易上は中国と深くつながっていて、時事通信は「台湾、衰えぬ対中国輸出 5月38.6%増で過去最高」と報じた。
日本の国益を考えれば、現状の正解は、非難すべきは非難し、賛同すべきは賛同するといった是々非々の外交だ。林外相に求められるのはこういった是々非々の外交をしたたかに行うことではないだろうか。
もちろん、中国の海洋進出や人権問題に対しては全力で非難して欲しい。