安倍元首相の「台湾有事、それは日本有事だ」に河野太郎氏「特別なものではない」「我々の当然の懸念」
安倍晋三元首相が「中国が台湾に武力攻撃すれば日米同盟の有事」と述べたことに、中国は「台湾問題で公然とでたらめを言った」と猛反論したが、総裁選後、保守系からの支持が急落した河野太郎元防衛大臣が安倍氏の発言について「特別なものではない」「我々の当然の懸念」という認識を示した。
自民党の河野太郎広報本部長が2021年12月2日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、「台湾有事、それは日本有事だ」などとする安倍晋三元首相の発言について、「特別なものではない」「我々の当然の懸念」などと支持する考えを示した。
さらに、中国による台湾侵攻を念頭に、現状変更の試みを続ければ「非常に高い代償を払うことを中国に知らしめる必要がある」と警告した。
■中国外務省は抗議、北京駐在の大使は「しかるべく反論」
安倍氏は12月1日に台湾のシンクタンクが開いたイベントにオンラインで出演し、
「台湾有事、それは日本有事だ。すなわち、日米同盟の有事でもある。この点の認識を、北京の人々は、とりわけ習近平主席は断じて見誤るべきではない」
などと警告。同日、中国外務省が北京駐在の垂秀夫大使を呼んで抗議していた。松野博一官房長官は12月2日午前の記者会見で、垂氏が「わが方の立場に基づき、しかるべく反論した」と説明した。
河野氏の記者会見では、中国・上海のテレビ局記者が「安倍氏の発言で、日中関係がまた厳しくなっている」などとして、発言への対応を質問。河野氏は答弁の冒頭、中国の軍事的脅威を強調した。
「中国はここ30年間、防衛…ではなく軍事費を増やしており、30年間で42倍になっている。軍事力は増強されており、日本に到達しうるミサイルを多数配備している。中国の飛行機は台湾の空域に頻繁に侵入している。多くの人々が中国による台湾への武力行使を懸念している」
■現状変更の試みなら「非常に高い代償、中国に知らしめる必要」
その上で、「安倍元首相の発言は特別なものではない」と述べた。さらに、次のように述べ、各国が中国の行動に懸念を持っていることを強調した。
「中国が台湾に武力を行使すれば、好むと好まざるとにかかわらず、日本は影響を受ける。その状況に備えておかなければならない。したがって、(安倍元)首相の発言は、我々の当然の懸念で、米国やQUAD(クアッド、日米豪印)やAUKUS(オーカス、豪英米)といった国々と協調する必要がある。欧州からはかなりの国が海軍部隊を南シナ海、東シナ海に派遣しており、台湾海峡の状況を懸念している」
さらに、「現況変更の試み」に対して繰り返し警告した。
「武力による現状変更の試みを続けることはできないし、もしそれをするようであれば、非常に高い代償を払うことを中国に知らしめる必要がある。何もおかしなことではない。中国は尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返しており、これは両国関係の改善に寄与しない。彼らは自身が何をしているか理解する必要があるし、我々は国際法に違反したり、現状変更を試みたりする中国の活動を見逃さないだろう」
https://news.yahoo.co.jp/articles/66e697ddd17606a4d7673c260167fe801124ac6d
中国をめぐり、何かと指摘されている河野氏だが、やはり外相と防衛相を経験したことがあるだけにこういった認識はしっかりしている。
いかに日中関係が厳しくなろうとも言うべきことを言うのは大事なことだ。中国に取り込まれている国を目覚めさせることにも繋がる。それには日本の政治家が個々に訴えるだけではなく、日本政府として声明を出さなければダメだ。
是非国会でしっかり議論して政府としての声明を発表していただきたい。