バッハ会長が「安全を確認した」と発言の一方で、JOCの山下泰裕会長がWTAの中国での大会見合わせについて「正しい判断だと思う」
JOCの山下泰裕会長が、中国女子プロテニス選手の問題を巡り、女子テニス協会(WTA)が中国全土での大会中止を決定したことについて「正しい判断だと思う」とWTAを支持する考えを示した。中国はWTAの判断に反発している。
これまで、テニス業界ではジョコビッチ氏やナブラチロワ氏などがWTAを支持する考えを示した。一方で、IOCはバッハ会長が2度にわたり彭帥選手とテレビ電話で対話し「安全を確認した」と北京五輪開催に問題がない考えを示していた。
中国の元副首相に性的関係を強要されたと告白した同国の女子テニス選手、彭帥さんの問題を巡り、女子テニス協会(WTA)が中国での大会開催見合わせを決めたことを受け、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、東京都内で「正しい判断だと思う」とWTAを支持する考えを示した。
北京五輪を巡っては、新疆ウイグル自治区での人権問題などを理由に、政府高官を同五輪に派遣しない「外交ボイコット」が欧米諸国を中心に取り沙汰されている。山下会長は「政府が対応しており、われわれがコメントすることでない」としつつ「選手を派遣するということは揺るぎない」と述べた。
https://www.sankei.com/article/20211202-WJZWV6AZTRJBZMMCQHGYEKUQQQ/
これは、JOCの総意ではなく、あくまでも山下会長の意見だと思うが、中国が「東京五輪を全面支持したのだから、日本は北京五輪を支持しろ」と訴えている中、JOCの会長がこのような意見を述べたことには非常に意味があると言える。
WTAの決定を支持するということは、山下会長も北京五輪開催に疑問を持っているということだろうか?しかし、「選手を派遣するということは揺るぎない」と述べている。選手ファーストを考え、開催するならば選手を派遣するということだろうか。
山下会長は11月30日の会見で、彭帥選手、ウイグル、北京五輪の問題について質問されると「コメントすることは適切ではない」と、コメントを避けていた。(参考)中立的な立場で、言及しないようにしていたと思われるが、それだけに今回のWTAを支持する考えを示したことには驚きだ。