【北京五輪】米英豪加が外交ボイコットを表明⇒IOC「IOCが関心があるのは選手の参加だ」と外交ボイコットには関心示さず
アメリカが北京五輪の外交ボイコットを表明したことを皮切りに、オーストラリア、イギリス、カナダが外交ボイコットを表明した。この4ヶ国はいずれもファイブアイズ加盟国だ。
日本国内でも、自民党の保守系議員が岸田総理に外交ボイコットを求める動きがあり話題となっているが、他の西側陣営もこれに追随するか注目されている。
因みに韓国は「韓国政府は現在、ボイコットを検討していない」と大統領府高官が述べていたということだ。(参考)
そんな中、IOCのバッハ会長は「IOCが関心があるのは選手の参加だ」と、各国の外交ボイコットには関心を示さなかった。
IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は北京大会の外交的ボイコットに新たにイギリスなどが加わるなか、「IOCが関心があるのは選手の参加だ」と述べました。
IOC・バッハ会長:「私たちは選手に関心があるのです。選手が大会に参加でき、国の支援を受けられることを歓迎します。政治はそれ以外のことで、政治的中立の原則が適用されます」
バッハ会長は8日、北京大会に政府関係者らが参加しない外交的ボイコットは各国の政治判断であり、IOCにとって大事なのは選手の参加だと強調しました。
外交的ボイコットはアメリカが最初に表明したのに続き、8日にはオーストラリア、イギリス、カナダも加わり、4カ国に広がりました。
ただ、いずれの国も選手は派遣する方針を示しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e236394b0546520d38649773ebc2547b59e4bed7
IOCとしては北京五輪に各国が選手を派遣して、無事に開催されればそれだけでいいと思っているのだろう。
一方、開催国の中国が「スポーツに政治を持ち込むな」と過剰に反応していて、外交ボイコットを取った国に「対抗措置を取る」とまで言っている。面子にこだわる中国だからこのような子供じみた反応は想定済みだ。だから韓国も外交ボイコットを検討できないのだ。同じく日本も慎重にならざるを得ない。気持ちとしては米英豪加に追随して欲しい(政府もそうだと思う)。保守系議員や言論人が外交ボイコットを呼びかけることは日本人としての姿勢を示すということで意義のあることだと思う。ただ、日本はまだ脱中国が進んでいない状況が背景にある。だから政府は難しい判断を迫られているのだ。
しかし、もとをただせば中国による人権侵害問題が発端なのだ。中国政府は立場上否定しているが、IOCとしてはオリンピック憲章に「国もしくは個人に対する差別は、いかなるかたちの差別であっても、オリンピック・ムーブメントへの帰属とは相入れないものである」と記してあるのだから、関心を示さないのではなく、各国の外交ボイコットを重く受け入れるべきではないだろうか。そして、今後の五輪開催国の選定において人権侵害が起こっていないかをしっかり見極めるべきだ。