トルコのウイグル人が中国当局職員をジェノサイド、拷問、性暴力で告発 対中批判を示す西側諸国はトルコを中国の呪縛から解き放つべき
トルコに住むウイグル人の人々が、中国当局の112人をジェノサイド、拷問、性暴力などを行なっているとしてトルコのイスタンブール検察当局に刑事告発した。
産経新聞は「北京冬季五輪の開幕まで1カ月を切り、中国国内の人権弾圧に国際的な注目を集める狙いもありそうだ」と報じた。
トルコに住むウイグル人の人々が4日、中国新疆ウイグル自治区でジェノサイド(民族大量虐殺)や拷問、性暴力などを行っているとして、中国共産党員や労働収容所の幹部ら112人をトルコ・イスタンブールの検察当局に刑事告発した。ロイター通信が伝えた。
北京冬季五輪の開幕まで1カ月を切り、中国国内の人権弾圧に国際的な注目を集める狙いもありそうだ。
告発したのはウイグル人の19人で、少なくとも116人が中国国内で拘束されていると主張している。国連の専門家や人権団体は、中国では近年、ウイグル族を中心とするイスラム教徒の少数民族など100万人以上が当局に身柄を拘束されたと推計している。
ウイグル族はトルコ語に近いウイグル語を話すなど民族的にトルコに近い。同国では新疆ウイグル自治区などからきた約5万人のウイグル人が暮らしている。一部のウイグル人の人々はトルコのエルドアン政権が投資の冷え込みなどを嫌って中国当局への批判を控えているとして、懸念を強めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/faee1b0dc66b7c88a574b0ef735944b520c71a3e
エルドアン大統領は「世界のイスラム教徒の守護者」を自任して中国の弾圧を逃れて亡命するウイグル族を保護してきた。エルドアン大統領は2009年、中国のウイグル弾圧を「大量虐殺」と呼び、中国と外交的なトラブルになったこともある。だが、ここ最近ではトルコでは経済低迷が続いており、中国からの投資の期待や新型コロナウイルスのワクチンの供給を受けるなど、経済とコロナ対策でも対中関係を重視している。これに対してトルコに住むウイグル人は懸念を強めている。
昨年、中国の王毅外相がトルコに訪問した際には新疆ウイグル自治区から逃れた人たちが抗議集会を開くなど反発運動が行われた。
また、欧米が中国の人権弾圧を問題視する中、トルコの野党党首と首都アンカラの市長がツイッターを通じてウイグル人への連帯を示した。ところがトルコの中国大使館が「中国の主権と領土の一体性に対するいかなる挑戦も強く非難する」と反論。これを受けてトルコ外務省は中国大使を呼び、不快感を伝えたという事もあり、中国はトルコに神経をとがらせている。
なんとかエルドアン大統領を中国の呪縛から解き放ち、中国の人権問題の非難の旗頭に立ってもらいたい。そのために中国のジェノサイドを訴えている西側諸国はトルコを支援して中国から離れるように行動することを願う。