駐米中国大使「米が台湾独立奨励なら、米中軍事衝突の恐れ」
駐米中国大使が、米ラジオ番組のインタビューで、「米国に奨励され、台湾当局が独立への道を模索し続ければ、世界の二大国である中国と米国の間で軍事衝突が発生する恐れがある」と述べた。
中国の秦剛駐米大使は28日、米国が台湾の独立を奨励すれば、米中の軍事衝突が発生する恐れがあると警告した。
秦大使はナショナル・パブリック・ラジオのインタビューに対し「台湾問題は米中の最大の火薬庫になっていると強調したい」とし、「米国に奨励され、台湾当局が独立への道を模索し続ければ、世界の二大国である中国と米国の間で軍事衝突が発生する恐れがある」と述べた。
米国防総省の報道官は大使の発言について、米国は「1つの中国」政策と台湾関係法に引き続きコミットしていると強調。「台湾の人々の安全を脅かすような武力行使に抵抗する米国の能力を維持しながら、台湾が十分な自衛能力を維持できるよう支援する」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b65b64e6ed8d5b800771180a407b266a663c49b7
台湾問題は「米中間で最も危険な発火点だ」と指摘した。NPRが28日報じた。
2月4日開幕の北京冬季五輪で米国が人権状況を批判して外交ボイコットを実施する点に関し、秦氏は米国が指摘する新疆(しんきょう)ウイグル自治区での「ジェノサイド(民族大量虐殺)」は「全くない。世紀の大噓だ」と批判。
https://www.sankeibiz.jp/article/20220129-BDPNST577BJD5HH74YLU5YAO64/
中国共産党の機関紙などがこのような主張をしていたことはこれまでもあったが、大使がこのような発言をしたということは、中国はその準備を着々と行なっているとみていいだろう。
また、中国はウクライナ国境にロシア軍が集結している問題で、欧米の対応を観察しているはずだ。
米国務省は「ウクライナで衝突が起きれば中国にとっても利益にならないので、中国に対し、ロシアへの影響力を行使して外交(的解決)を促すよう求めている」と、中国にロシアへの「影響力行使」を要請し、ウクライナ侵攻を思いとどまらせるよう求めた。(参考)
米中外相会談でもウクライナ情勢について協議した。しかし、王毅外相は「ロシアの懸念を解決すべき」と、ロシアを擁護する発言をした。連携が取れていると見ていいだろう。
ブリンケン米国務長官は米東部時間26日(日本時間27日)、中国の王毅国務委員兼外相と電話会談し、ロシア軍が侵攻の動きを見せ緊迫するウクライナ情勢について協議した。米中両政府が発表した。ブリンケン氏は国際的な安全保障と経済のリスクを警告し、緊張緩和の必要性を強調。王氏は「ロシアの合理的な安全保障上の懸念を重視し解決すべきだ」と訴え、米国に対抗して結束を強める中ロがウクライナ問題でも連携する形となった。
ウクライナ情勢を巡る欧米の対応次第で、習近平主席は台湾の対岸に軍を集結させるかもしれない。