高梨沙羅がSNSで謝罪「私のせいで皆の人生を変えてしまった」心配される精神面 日本チームは選手を守るためにも運営に抗議すべき
波紋を呼んでいるノルディックスキージャンプ混合団体。1回目にスーツの規定違反で失格となった高梨沙羅選手。しかし、失格となったのは高梨選手だけでなく、その後、オーストリア、ドイツ、ノルウェーの選手も、同様の規定違反で相次ぎ失格となった。
競技後号泣した高梨選手だが、8日にインスタグラムを更新し、心境をつづった。
高梨はインスタグラムに真っ黒の画像を公開。メダルがなかったこと、違反してしまったことへの謝罪を記した。その上で、最後まで諦めずに戦った日本チームにも感謝。「今後の私の競技に関しては考える必要があります」とし、スキー競技が「選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしい」と願いを明かした。
以下、投稿全文。
「日本チームを応援して下さっている全ての皆様
今回、私の男女混合団体戦での失格で日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。
私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。謝ってもメダルは返ってくることはなく責任が取れるとも思っておりませんが今後の私の競技に関しては考える必要があります。
それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております。
そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆さま、スタッフの皆さまには感謝してもしてきません。
こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。この度は本当に申し訳ありませんでした。
高梨沙羅
私が言える立場ではない事は重々承知の上で言わせていただけるなら、どうかスキージャンプとゆう素晴らしい競技が混乱ではなく選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしいと心から願います」(原文まま)
高梨は1回目に103.0メートルの大ジャンプ。124.5ポイントを獲得し、笑顔を見せた。しかし、スーツの規定違反でまさかの失格に。それでも、2本目も98.5メートルで意地のジャンプをマーク。佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑とともに最後まで戦い抜いた。他国も含め、失格者は4か国5人と続出。ルールについて世界的に物議を呼んでいた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/21c6c4f10b6a8207dbd0246fab5781640a7ae6c0
これを読んで高梨選手の精神状態が心配になった。個人戦ならここまで思いつめることも無かったろうに、団体戦がゆえに強い反省の念に駆られているのだと思う。周囲の方々には高梨選手を支えるようお願いしたい。
また、この点については日本チームもドイツチームのように強く抗議すべきだ。日本チームは「悪いのは選手ではなく我々だ」と述べていたが、それでは不正行為を認めたことになる。今回の件では各方面からこれまでと違うという意見が噴出している。
ドイツのスキージャンプ専門ウェブメディア「skispringen.com」は、シュテファン・ホルンガッハー男子代表ヘッドコーチが語ったコメントを紹介。ドイツ公共放送「ZDF」に対し、「本当に厳しい結果となった。(マテリアル)コントロールに関しては、五輪に合わせて別の測定方法を始めたと言わざるを得ない」と怒りを隠せない様子で語ったという。
「もはやスポーツとして成り立っておらず、うまく切り抜けられるかどうか心配しなければいけない状況になってしまっている。規定通りのジャンプスーツにするため、あらゆる手を尽くしていく」とも話し、ドイツスキー連盟マネージャーのホルスト・ヒュッテル氏は「激しい怒りを感じている。女子選手たちは、みな個人戦と同じスーツで飛んだと言っている。全く理解できない」と主張したという。
さらに「カタリナ(・アルトハウス)は『これまで経験したことないほど長い時間、上から下までくまなくチェックされた。何か見つかるまで検査が続くような感じだった』と話していた」と同じく失格になり、号泣した個人戦銀メダリスト・アルトハウスの談話を紹介していた。日本の高梨を含め、大波乱の展開となった新種目の混合団体。各国に後味の悪さが残ってしまったようだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/32fe80d6d4db5c7fd8782cd89c40b8c357072cd3
競技会場にいる日本チームのスタッフによると、高梨は飛ぶ前の検査では問題がなかったが、競技後にピックアップして行われるチェックで、両太もものまわりが規定より2センチ大きいとされたという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b515e234b9630b3452e06fa6369af52636243dc
競技前の検査で問題がなかったものをどうすればいいのか?また「ピックアップして行われるチェック」とあるが、やるなら全選手対象ではないと不公平だろう。
日本チームも言いたいことがあるはず。事なかれ主義では選手を守ることにはならない場合もある。特に今回は高梨選手の精神的負担を和らげるためにも絶対に抗議すべきだ。