韓国新大統領を岸田総理が大歓迎と言わんばかりに共同通信は報じているが「国と国との間の約束を守るということは基本~」と述べていたことをなぜ報じないのですか?
韓国大統領選挙で保守系野党候補が勝利したことで、共同通信は岸田総理が祝意を述べたことと日韓関係の修復に「新大統領と緊密に協力」の部分をチョイスして書き立てている。
岸田文雄首相は10日、韓国大統領選で保守系野党の尹錫悦氏が当選したことを受け「選出を歓迎する。心よりお祝い申し上げたい」と祝意を示した。対立する日韓関係を踏まえ「地域と世界の平和、安定、繁栄において健全な日韓関係は不可欠だ。新大統領のリーダーシップに期待したい。関係改善のため緊密に協力していく」と述べた。東京都内で記者団の質問に答えた。
日本政府は、5月に予定される尹氏の就任を待たずに次期政権側と接触を図る構えだ。対日関係改善の意向を示す尹氏への政権交代が日本にとって好機になるとの見方があり、北朝鮮対応で日米韓連携がスムーズになるとの期待も出ている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/77b56bd60670edc7e04cb5cf27144aa7937043aa
読売新聞もFNNも似たような文面だった。地方紙は共同通信の文面をそのまま引用していた。ちなみにNHKは他紙が「新政権の動きを見て、対話をしてみたい」(参考)と報じたのに対して「新政権の動きも見ていきたいし、新政権と対話をしてみたい」(参考)と、報じていた。まるでもろ手を挙げて韓国の新大統領と保守政権誕生を祝っているように報じている。
それでは、ロイターの報道を見てみよう。共同通信が報じていない肝心なところをしっかり報じている。
日韓関係について岸田首相は「互いに重要な隣国」としたうえで、「とくに今、国際社会が時代を画するような大きな変化に見舞われている。健全な日韓関係はルールに基づく国際秩序を実現する、さらに地域・世界の平和や安定、繁栄において不可欠」との認識を示した。「日米韓の連携も重要であると思っている」との考えも述べた。
韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた徴用工訴訟や、慰安婦問題を念頭に「日韓関係は大変厳しい状況にある」とする一方、「このまま放置することはできない」とも語った。
その上で首相は「国と国との間の約束を守るということは基本。日本の一貫した立場に基づいて健全な関係を取り戻すべく、新大統領、新政権と緊密に意思疎通を図っていくことは重要」とした。
近く日韓首脳会談を行う可能性については「電話会談については現時点では具体的には決まっていない」と明言を避けた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f6816f70ae8ea45402a6e16d7e11e50896970d9
確かに韓国に保守政権が誕生することは日本政府にとっても喜ばしいことだと思う。政治の世界では敵対関係を減らすのは当然のことだ。「選出を歓迎したい。心からお祝い申し上げる」と祝意を述べたのも半分は本心かもしれないが、半分は外交辞令だ。その証拠にロイターの記事では「これまでの日本の一貫した姿勢は変わらず、韓国がしっかり約束を守ることを前提に健全な関係を取り戻すべく意思疎通をしていきましょうよ」と、岸田総理は述べている。決して保守政権だから仲良くしましょうというわけではない。この一文があるかないかで報道の印象が全然違ってくる。この肝心なところを報じないから、SNSなどを見ると多くの国民が案の定勘違いしている。ただ、毎日新聞と一部のスポーツ紙がこの部分をしっかり報じていたのにはびっくりした。(参考)毎日新聞は置いといて、今やスポーツ紙の方が信用できるのかな?とふと思ってしまった。
共同通信は無条件で韓国と仲良くしたいのかもしれないが、報道はしっかり肝心なところを報じなければだめだ。印象操作はやめていただきたい。