サンデーモーニングで「自民党には核の使用を許容する考え方がある」「九条改憲はそこまで考えてるのかな」 まさに印象操作
20日のTBS[サンデーモーニングで法政大学前総長の田中優子氏が、安倍晋三元総理の発言に対して「自民党の中には、核共有、核の使用ということを許容する考え方がある」と主張した。また、田中氏は憲法改正議論に9条が含まれることから「あの『核共有』というのは抑止力としての核のことじゃなくて、もしかしたら、使える核のことを意味してたんじゃないかと思ってしまう」「核を使うとなると(憲法)九条を改憲しなければならないとなるので、そこまで考えてるのかな」と述べた。
法政大学前総長の田中優子氏が20日、TBS系「サンデーモーニング」に出演し、安倍晋三元首相が「核シェアリング」について触れたことに、「自民党の中には、核共有、核の使用ということを許容する考え方がある」と主張した。
ロシアのウクライナ侵攻が続く中で、核兵器の使用の可能性が取りざたされている。司会の俳優・関口宏は「使える核兵器って、これ自体が何なんだろうって思っちゃう」と核兵器そのものが存在することに疑問を投げかけた。
田中氏は続いて「『核共有』ということを安倍元首相が言い出したことに驚いたんです」とコメント。「自民党の中には、核共有、核の使用ということを許容する考え方があるんじゃないかと思いました」と推測した。
ロシアの侵攻に「乗じて、憲法九条の改憲もうわさされています。主張されています」とし、続けて「あの『核共有』というのは抑止力としての核のことじゃなくて、もしかしたら、使える核のことを意味してたんじゃないかと思ってしまう」と持論を展開。「核を使うとなると(憲法)九条を改憲しなければならないとなるので、そこまで考えてるのかな」とコメントした。
安倍晋三元首相は2月27日のフジテレビ系「日曜報道THE PRIME」で「核シェアリング」について説明。「世界はどのように安全が守られているかという現実について、議論をタブー視すべきではない」と発言していた。一方で「被爆国として核を廃絶するという目標に向かって進んでいくことは大切」とも主張していた。岸田文雄首相は「核シェアリング」の検討も否定し、非核三原則を堅持するとしている。
高市早苗政調会長は安倍氏の発言について以下のように説明している。
高市氏は安倍氏の発言に「先週の安倍総理は、日本も核シェアリングをするべきだとおっしゃったんではなくて、NATOの核シェアリングについて紹介された上で、どうやって世界で安全が守られているか、そういう議論についてタブー視すべきじゃないとおっしゃったわけです」と説明していた。
百歩譲って核共有の考えまではいいとして、核の使用の許容などこの誰がそのようなことを語ったのだろうか。「核の使用ということを許容する考え方がある」などまさに印象操作であり、デマだ。
核の議論については過去に自民党政調会長だった中川昭一氏が、非核三原則はいまや非核五原則化していると語り、「言わせず、考えさせず」が加えられていると指摘していた。
平成18年11月、当時は自民党政調会長だった中川昭一衆院議員が、非核三原則はいまや非核四原則化していると語り、「言わせず」原則が加えられていると指摘した。そのうえで、非核三原則の是非を議論することさえ許されないのであれば、それは「考えさせず」を加えた非核五原則だと語った。
安倍氏は中川氏が指摘した「言わせず、考えさせず」をなくし、タブー視なく議論することが必要と訴えている。
また、憲法9条を改正して核の使用をできるようにしているなど妄想でしかない。だが、一部の視聴者には「なるほど」「けしからん」と思う人が出てきてしまう。改憲の機運が高まるのをこういう形で水を差すのか。