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自民「護る会」が日本の核抑止について独自策の研究・検討に 前統合幕僚長と元国家安全保障局次長も「タブー視せず議論を」




自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」が、日本の核抑止について独自策の研究・検討に入ることを報じた。

きっかけはロシアの核使用の示唆だ。2月27日、プーチン大統領は核抑止部隊に特別態勢を取るよう命じた。プーチン大統領は2月24日のテレビ演説で、「ロシアは世界で最も強力な核保有国の一つ」と欧米に警告もしていた。この発言はクリミア半島を実効支配した後にも使っている。

自民党の山田宏議員は日本はロシアの脅威にさらされているとともに、中国と北朝鮮にも脅威が存在すると語る。そのうえで、「タブーなき核抑止力の議論」を進める考えを示す。

「タブーなき議論」は安倍晋三元総理がフジテレビの番組で「非核三原則はあるが、この世界はどのように安全が守られているかという現実について、議論していくことをタブー視してはならない」と述べたことから、国民の間でも「議論はすべきだろう」という考えが広がっていった。

河野克俊前統合幕僚長は「非核三原則ありきではなく、国民の安全を最優先に議論すべきだ。議論にタブーがあってはいけない」としたうえで「憲法9条は限界にきている。現在の厳しい安全保障環境に合っているかも、冷静に議論する必要がある」と語る。

「米国の対応を受けて、『米国は核保有国には軍事介入しない』と思い込む国が現れるかもしれない。例えば、中国が、台湾や沖縄県・尖閣諸島に手を出してくる危険性もある。私自身は、日本が他国に侵攻されれば米軍は支援に動くと信じているが、侵攻を抑止するには米国による軍事介入の信頼性を高めておく必要がある。日本は現在、米国の『拡大核抑止(核の傘)』の中にいるが、『核抑止の議論』の1つとして、NATOが採用している『核共有(ニュークリア・シェアリング)』も考えるべきだ」

プーチン氏が「パンドラの箱」を開けた後の世界は、これまでとはまったく違う。国民の生命と財産、国家の独立を守り切るには、「非核三原則」や「憲法9条」の議論も避けられない。

「非核三原則ありきではなく、国民の安全を最優先に議論すべきだ。議論にタブーがあってはいけない。現実的な安全保障政策を徹底的に議論して、『核共有が戦略的に必要だ』と判断された場合、非核三原則を見直すことも必要だろう。日本が他国に侵攻されたとき、憲法9条にもとづく専守防衛の姿勢で国民を守り切ることができるかについても議論すべきだ。連載『憲法と自衛隊』にも書いたが、憲法9条は限界にきている。現在の厳しい安全保障環境に合っているかも、冷静に議論する必要がある」

引用元 議論にタブーがあってはならない「核抑止」の必要性 米国が核保有国への介入を避ける初のケース 「他国の誤解」に懸念 河野克俊・前統合幕僚長に聞く

兼原信克元国家安全保障局次長も「どうやって抑止力を維持するかは極めて重要です。タブーを設けるべきではありません」と語る。

 -核共有に対しては、日本国内に核弾頭を配備することで、有事に相手の先制核攻撃を誘発してしまうとの指摘があります。その抑止力向上効果を疑問視する声や、周辺国を刺激するだけだとの声もあります。

「核保有国の間でいったん戦争が始まってしまえば、最後は核のボタンに手が掛かってしまう恐れがある。だから戦争はやめようというのが、核抑止の基本的な考え方です。互いに銃を向け合っていることが抑止になっているのに、『銃を持つから撃たれる』というのは軍事の常識からは外れています。それに、実際に核兵器を相手に向けるという覚悟が抑止力向上にもつながるのです。もちろん周辺国をいたずらに刺激する必要はありませんが、領土的野心を持ち、核戦力も含めて軍備増強を続ける中国に対して、どうやって抑止力を維持するかは極めて重要です。タブーを設けるべきではありません」

引用元 核共有「タブー視せず議論を」 兼原信克・元国家安全保障局次長に聞く

マスコミや野党議員は前段階を飛び越えて「核抑止の議論」=「核共有」という形で話を持っていくから、政府としては非核三原則のもと「核共有の議論は考えていない」と答えるしかない。ましてや岸田総理は広島出身だ。

まずすべきは「核抑止の議論」で、どうしたら日本を守れるのかの議論だ。その中で「『核共有が戦略的に必要だ』と判断された場合、非核三原則を見直すことも必要だろう」と河野氏が述べるように、判断が迫られたら「核共有」を念頭にした議論が必要となるのだ。兼原氏も「どうやって抑止力を維持するかは極めて重要」と述べており、この議論が最も重要なのだ。そこで導き出されたのが「核共有」なのかそれともほかに方法があるのかを「タブー視」せずに議論することが必要なのだ。

山田議員も「わが国に核兵器を撃ち込ませない、国民の生命と財産を守るための議論だ」と述べている。

核抑止について有意義な議論がなされることを願う。







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