共産・志位委員長「主権侵害あれば自衛隊使い命と主権守る」⇒自民・小野寺氏「今までと言っていることが全然違う」 立民・泉代表「自衛隊は合憲だという理解をしてもよいのでは」
日本共産党の志位和夫委員長が「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守りぬくのが党の立場だ」と述べた。
これに対し、「今までと言っていることが全然違う」「参院選対策ではないか」などといった声が上がっている。
共産党の志位委員長は7日、党本部での会合で、ウクライナ情勢を踏まえ、「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守りぬくのが党の立場だ」と述べた。他党からは、自衛隊の解消を掲げる共産党の綱領と矛盾しているとの批判が出ている。
志位氏は憲法9条について、「無抵抗主義ではなく、個別的自衛権は存在している」とも語った。共産党は「自衛隊は憲法違反」との立場だ。党綱領では、自衛隊について「国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」と明記している。
自民党の小野寺五典・元防衛相は「共産党は自衛隊に対して厳しいことを主張してきた。今までと言っていることが全然違う。憲法違反と言いながら、百八十度違った評価だ」と指摘した。公明党からも「参院選対策ではないか。『自衛隊を持つべきではない』と言っているのにおかしい」(ベテラン)と疑問の声が出た。
引用元 共産・志位委員長、主権侵害あれば「自衛隊使い命と主権守る」…自民「今までと180度違う」
参考 日本共産党綱領
日本共産党の『自衛隊をどうする』にも「自衛隊を違憲の存在だとするわれわれの立場は少しも変わりません」とあり、「自衛隊については、「段階的解消」という方針を決めました」としている。
今までと言っていることが違うとか矛盾していると非難されても当然だろう。
しかも、2016年6月の党首討論では、志位氏は自衛隊は違憲としながらも大規模災害の際には働いていただくと述べていた。
席上、志位氏は、自衛隊は憲法違反だと考えるかとの問いに「その通りだ。憲法9条と自衛隊は両立しない。将来の展望として国民多数の合意を得て9条の完全実施、すなわち自衛隊の段階的解消を図る」と明言。にもかかわらず、「将来的な課題でかなり長い期間、自衛隊との共存が続く。自衛隊には、急迫不正の主権侵害や大規模災害が起こった時には働いていただく」と述べた。
これには、安倍晋三首相(自民党総裁)が、「自衛隊は憲法違反だと言っていながら、災害が起きたら仕事をしてくれ。これではあまりにもひどい言い方だ。憲法違反だったらしばらく置くのではなく、すぐに廃止すべきだ」と志位氏のご都合主義を非難。
引用元 党首討論 志位氏発言に批判集中
さんざん違憲と言っておいて困ったときには助けてくれでは自衛隊もたまったものではない。だから違憲状態をなくすために「自衛隊の存在」を明記する憲法の改正が必要なのだ。
そんな中、立憲民主党の泉健太代表が志位氏の発言を「わが国の国防を担うのは自衛隊だと多くの政党が認識することは、基本的によいことだ」と述べたうえで「明確に、自衛隊は合憲だという理解をしてもよいのではないか」と共産に呼び掛けた。
立憲民主党の泉健太代表は8日の記者会見で、共産党の志位和夫委員長が「急迫不正の主権侵害に際しては自衛隊を活用する」と発言したことを歓迎した。「全国民が自衛隊は大切な存在だと認識をしている。わが国の国防を担うのは自衛隊だと多くの政党が認識することは、基本的によいことだ」と述べた。
共産党は綱領で自衛隊の解消や日米安全保障条約の廃棄を訴えているが、泉氏は「国防において自衛隊や日米安保は国民共通の前提だという認識を多くの人が持っていることを、共産も踏まえつつあるのではないかと感じる」と述べた。その上で「明確に、自衛隊は合憲だという理解をしてもよいのではないか」と共産に呼び掛けた。
泉氏がこのようなことを述べたのは2つの思惑があると考える。一つは、共産党が自衛隊を合憲と認めたら、9条改正をしなくていいではないかという話に持っていけると思っているのではないか。二つ目は、参院選に向けて少しでも共闘しやすい環境を整えたい思惑があるのではないだろうか。これが例えば自民党なら矛盾を猛批判していただろうが、共産党相手には矛盾を指摘せずに歓迎姿勢を見せるあたり、そういう思惑があるのだろう。しかし、泉代表も政党の党首ならそんな簡単に党綱領が変えられないことがわからないのだろうか?あまりにも軽すぎる発言だ。