外務省世論調査、対中外交「強い姿勢で臨むこと」6割強、安全保障環境「厳しい」88%
外務省が外交に関する世論調査を行ったところ、対中国外交について「領海侵入などに対して強い姿勢で臨んでいくこと」が6割を超えた。この結果について外務省は「中国との間の懸案に国民が高い関心を寄せていることが反映された結果だ」と述べた。尖閣侵入などで日本を挑発する中国に日本国民が強い不満を感じていると外務省は受け取ったのだろう。
外務省が行った世論調査で今年、国交正常化50周年を迎える中国との外交について「領海侵入などに強い姿勢で臨むこと」を重視すべきと考える人が6割を超えたことが分かりました。
調査は先月17日から22日に全国の18歳以上の男女1000人を対象に電話で行われました。
対中国外交で特に重視すべき点を尋ねたところ、「領海侵入などに対して強い姿勢で臨んでいくこと」と答えた人が6割を超えました。
この結果について、外務省は「中国との間の懸案に国民が高い関心を寄せていることが反映された結果だ」としています。
一方、ロシアによるウクライナ侵略について日本が特に力を入れるべき措置については「G7をはじめとする国際社会との連携強化」「ウクライナから日本への避難民の受け入れの推進」と答えた人がいずれも6割を超えました。
確かに中国への不満もあるだろうが、尖閣侵入を繰り返す中国に対して「強い姿勢で臨むことができない」外務省への不満が大きいのではないかと推測する。
また、安全保障環境が厳しいと答えた人が88%だった。
東アジア地域を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しているかとの問いに、「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えた人が計88.0%で、前年の82.4%を上回った。
外務省幹部は、北朝鮮による核・ミサイル開発や中国が覇権主義的な動きを強めていることに加え、ロシアによるウクライナ侵攻が「力による現状変更の試みの脅威として国民にも認識されているのでは」との見方を示した。
ウクライナ情勢に関しては、日本が特に力を入れるべき措置(複数回答)として「国際社会との連携」(64.6%)が最も多く、「避難民受け入れ推進」(63.7%)が続いた。一方、「ロシアなどへの制裁強化」は41.6%だった。
これは、メディアが行った世論調査とリンクしていると考える。メディアの世論調査では、憲法改正をして緊急事態条項の新設、防衛費増額がいずれも過半数を超えた高い数字となった。国民は相当危機感を感じている。
外務省がこの結果をどう外交につなげるか見ものだ。