【外交青書】19年ぶりに北方領土「不法占拠」 ウクライナ侵攻は「国際秩序の根幹への挑戦であり決して許されない」
2022年版の「外交青書」で北方領土「不法占拠」が19年ぶりに復活となった。
もはやロシアに配慮する必要はない。
日本の外交方針などを記した2022年版の「外交青書」がまとまりました。
ロシアに対する日本の外交姿勢が大きく変化しています。
きょうの閣議で報告された「外交青書」ではロシアによるウクライナ侵攻について「国際秩序の根幹への挑戦であり決して許されない」と厳しく非難し、「歴史の大転機」と位置づけています。
また、ロシアに対する融和姿勢を転換し、北方領土について「日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」と日本の原則的立場を明記しました。
「不法占拠」は2003年版以来、「日本固有の領土」は2011年版以来の表現で、ロシアとの北方領土交渉は「展望を語れる状況にはない」としています。
安倍政権、菅政権での対露外交が無駄だったかといえば決してそうとはいえない。歩み寄った結果、ロシアがこのような国だという事が確認できたから、今後それを教訓にすればいい。それよりも、今後は北方領土が日本の国土だと明確に国際社会に訴え、主張し続けることが大事だ。
他にもウクライナ情勢や中国や韓国については以下の通り。
ウクライナ情勢に関して「事態の展開次第では、世界も日本も戦後最大の危機を迎える」と強い危機感を示した。事態が中国の動きに与える影響を念頭に「力による一方的な現状変更を、いかなる地域においても決して許してはならない。日本を含む国際社会の選択と行動が、今後の国際秩序の帰趨(きすう)を決定づける」と強調した。
日露関係については「平和条約交渉の展望を語れる状況にない」とし、前年版までみられた日露協力に関する前向きな記述がなくなった。
中国の軍事活動の活発化に関して「日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念材料になっている」と指摘。一方で日中関係を「日本にとって最も重要な二国間関係の一つ」と前年版同様に規定し、「建設的かつ安定的な」関係の構築を目指すとした。
韓国についても「重要な隣国」との表現を踏襲しつつ、いわゆる徴用工をめぐる問題などを挙げて「今後とも韓国側に適切な対応を強く求めていく」とした。北朝鮮に関し、拉致問題の解決を目指す方針を改めて記した。