【静かに暮らす夢は難しいか】文前大統領の私邸前で連日デモ&牙を抜いたはずの検察が捜査を継続
引退後はのんびり静かに暮らしたいと漏らしていた韓国の文在寅前大統領だが、実際は静かに暮らすのは難しそうだ。
文氏の私邸前で連日のように罵詈雑言のデモが行われていて、中には脅迫めいた内容もあるようだ。これに対して文氏は警察に告訴したというのだ。
文在寅(ムン・ジェイン)前大統領夫妻が慶尚南道梁山市平山洞の私邸前でデモをしている市民団体メンバーを侮辱・名誉毀損(きそん)・共同脅迫などの容疑で警察に告訴した。
5月31日の本紙の取材を総合すると、同日午後3時ごろ、文前大統領私邸の関係者2人が告訴代理人として梁山警察署管内のある地区隊(交番)を訪れ、告訴状を提出したという。告訴人には文前大統領と金正淑(キム・ジョンスク)夫人の名があった。被告訴人は集会を主導した市民団体所属の3人と身元が特定されていない1人の計4人だ。
文前大統領夫妻は、これらの市民団体メンバーが私邸前で集会中に違法行為をしたため処罰してほしい、という内容を告訴状に書いているという。具体的な容疑は大きく分けて「侮辱および虚偽事実による名誉毀損」「殺人および放火脅迫(暴力行為等処罰法上の共同脅迫)」「集団的脅迫等で公共の安寧を脅かすことが明白な集会を開いた『集会およびデモに関する法律違反』」の3容疑だ。警察は同日、告訴状を受理すると同時に、代理告訴人から事情聴取を行った。警察関係者は「提出した証拠映像などを分析した上で、被告訴人に対する調査の日程を決める計画だ」と語った。
だが、文氏が静かに暮らせない理由がほかにもあった。退任直前に牙を抜いたはずの検察が着々と操作を進めているという。
しかも、捜査権限が移った警察も現政権に尻尾を振っているらしい。まさに大誤算だ。
文政権の与党だった民主党は政権交代の直前、検察から捜査権限を剥奪する法案を強行採決で成立させた。検察を起訴手続きだけ扱う官庁に変え、捜査権限は警察に移す内容だ。
民主党の院内代表(=国対委員長に相当)は「文氏と李在明(イ・ジェミョン)氏を必ず守り抜く」と、法案成立に向けてゲキを飛ばした。つまり〝文在寅・李在明保護法〟なのだ。
韓国の警察は大疑獄事件を捜査した経験がなく、捜査のノウハウがない。この5年間、警察は左翼政権・左翼与党の〝忠実な番犬〟だった。検察の牙を抜き、警察に移植すれば、左翼の政治家は安泰という算段があったのだろう。
検察は当然のことながら法案に猛反対した。が、不思議なことに、法案成立後の検察に動揺は見られない。9月に法律が施行される直前に「違憲立法」と提訴して逆転する作戦のようだ。
検察は意気消沈するどころか、白雲揆(ペク・ウンギュ)元産業通商資源相の事務所を押収捜査した。名目は「ブラックリスト作成による不公正人事疑惑」だが、本当の狙いは虚偽理由による原発の早期稼働停止疑惑だろう。
左翼紙ハンギョレ(5月20日)が、「文在寅政権に対する捜査のシグナルか」と、危機感をあらわにしたわけだ。
警察が〝忘恩の犬〟よろしく、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に尻尾を振っていることも、文サイドには大きな誤算だ。
警察は、張夏成(チャン・ハソン)駐中国大使の実弟を、「大型詐欺(ディスカバリーファンド疑惑)の容疑者」として捜査着手した。張氏は、文政権の「所得主導成長路線」の立役者だ。
この捜査は、警察にとって初の大型疑獄事件捜査であり、「左翼上層部の利権連帯」の解明につながる可能性もある。
引用元 「こんなはずではなかった」韓国・文前大統領の誤算 捜査権限剥奪する法案成立も…検察は元気に押収捜査 糾弾集会から聞こえる罵声も悩みの種
平穏な日々が送れることは難しそうだ。文氏と一緒に暮らしている長女が、SNSに興味深い投稿をしたそうだ。
長女はタイに移住していたが、離婚して今は文氏と同居している。その長女が保守派団体の罵声に怒りを爆発させ、SNSに書いた一文が面白すぎる。
「拘置所にでも一緒に入れば、その間だけでも静かになるという思い」
この文面は即座に削除されたというが、家族一同で〝塀の中〟に入ることを覚悟しているようにも読めてくる。
引用元 「こんなはずではなかった」韓国・文前大統領の誤算 捜査権限剥奪する法案成立も…検察は元気に押収捜査 糾弾集会から聞こえる罵声も悩みの種
文氏も覚悟をしているのだろうか。