熊本の住宅火災、住民「太陽光パネル近くから火が出た」
熊本県益城町の住宅から火があがり、屋根などが焼けた。太陽光パネル近くから火が出たようだ。
ジャーナリストの門田隆将氏は「熊本県益城町で“突然、家の屋根が燃えだした”と119番通報。消防が駆けつけたが鎮火は4時間後。「消火活動中も太陽光パネルの発電が続き、放水による感電の恐れがあった」と消防署。有毒物質の流出や火事の危険性など全て指摘通り。東京を“危険地帯”にしたい小池知事。大丈夫か」とツイッターに投稿。
熊本県益城町で“突然、家の屋根が燃えだした”と119番通報。消防が駆けつけたが鎮火は4時間後。「消火活動中も太陽光パネルの発電が続き、放水による感電の恐れがあった」と消防署。有毒物質の流出や火事の危険性など全て指摘通り。東京を“危険地帯”にしたい小池知事。大丈夫か https://t.co/PBub9Sqt0M
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) June 6, 2022
門田氏が添付している記事には様子が記されている。
■ 消火活動を妨げたモノとは
6月2日午前、熊本県益城町(ましきまち)の住宅から火が出て、屋根の一部が焼けました。
この火事、意外なモノが消火活動の妨げとなりました。記者
「通報から1時間が経っていますが、まだ建物から煙があがっていて時折、炎がみえます」2日 午前 9時半ごろ益城町寺迫(てらさこ)の住民から「突然、屋根が燃えだした」と119番通報がありました。この火事で住宅の屋根など約 30㎡が焼けましたが、けが人はいないということです。
ただ、火が完全に消し止められたのは通報から約 4時間後のこと。
今回、鎮火に比較的時間を要した理由とは?熊本市消防局
「消火活動中も太陽光パネルの発電が続いていたため、放水による感電の恐れがあった」消火活動を妨げたのは屋根に設置されていた太陽光パネルでした。
また住民は消防などの聞き取りに「太陽光パネル近くから火が出た」と話しているということで、警察と消防が火事の原因を調べています。■ 太陽光パネルの意外なリスク
住宅への設置も増えた太陽光パネル。
そのリスクを製品事故に詳しい専門家は次のように話します。NITE(製品評価技術基盤機構)製品安全センター 山崎 卓矢 広報課長
「太陽光パネル自体というよりも、そこに接続するケーブルや機器に接続不良が発生するとそこで熱を持ってしまって最終的には発火してしまう」NITE・製品安全センターでは部品に劣化がないかなど設置状況の定期的な点検を呼びかけています。
太陽光パネル自体から発火したわけではなく、接続するケーブルや機器から発火する恐れがあるそうだ。メンテナンスをしっかりしないと火災の恐れがあるということがわかった。
公文書研究者の有馬哲夫氏は「やっぱりね」と投稿。
やっぱりね。次は洪水と台風でソーラーパネルが壊れて、環境汚染が起きる。その前に、山や丘陵地の斜面を削っているので地すべり誘発。はやく規制をかけなくては。 https://t.co/u4xzQQUa3g
— 有馬哲夫 (@TetsuoArima) June 6, 2022
鈴木信行前葛飾区議会議員は東京都の太陽光パネル設置義務化を見直せと訴える。
熊本県益城町で突然太陽光パネルが燃え出した。
東京中の屋根にパネルが乗ったら危ないじゃん!小池都知事は強制的に設置義務なんて考え直せ! pic.twitter.com/D6z4MZJwzs— 鈴木信行@葛飾区から外国人生活保護廃止 (@ishinsya) June 3, 2022
今回の火災で東京都が検討する太陽光パネル設置義務化に対する風当たりはますます強まるだろう。もちろん私も反対だ。しかし、「燃え尽きるまで消火できない」などとネット上で言われているが、それは誤情報なので注意していただきたい。
消防庁が通達した「太陽光発電システムを設置した一般住宅の火災における消防活動上の留意点等について」にはこうある。
感電及び出火の危険性
(1)危険性について
・太陽光発電システムは、太陽電池により光エネルギーを電気エネルギーに変換しているため外部から発電を遮断できないことから、火災の初期から残火確認等に至るまで、感電事故の可能性がある。
・棒状での放水は、水を伝わって感電する可能性がある。
・太陽光発電システムの配線が切断されて建物に触れている場合、建物の断熱材や金属の柱、梁を伝い感電する可能性がある。
・夜間であっても、炎の光等によって発電が継続しており、感電の可能性がある。
・見た目の破壊が進んでいる太陽電池モジュールにあっても光が当たると発電するため、感電の可能性がある。
・感電により致命的な症状を被らなくても、屋根上での作業では、感電の衝撃によって消防隊員が落下する可能性がある。
・取り外した太陽電池モジュールは光を受けると発電するため、感電や発火の可能性がある。
(2)消防活動時における対策について
・棒状での放水は、水を伝わって感電する可能性があるため、粒状で建物に水がかかるよう、放水の距離や筒先の調節(噴霧状等)を行うようにする。
・太陽光発電システムの配線が切断されて建物に触れている場合は、消火活動により水が浸みこんだ手袋で安易に建物に触れないようにする。建物内部で活動する場合は、絶縁性の高い手袋(高電圧用ゴム手袋等)を活用するようにする。
・残火確認等のとき、太陽光発電システムの太陽電池モジュールを握った手から感電することがあることから、見た目の破壊が進んでいるものも含め、安易に触れたり、破壊したりしないようにする。
・取り外した太陽電池モジュールは感電や発火を防ぐために、太陽電池モジュール表面を遮光するか裏返しに置くようにする。
このように、消火活動ができないわけではない。棒状の放水では感電の恐れがあるため、噴霧放水にて行うなど注意すべき点はあるが、「燃え尽きるまで待たなくてはいけない」というのは誤りだ。しかし、ケーブルを切断してもモジュールから発電は続くため、感電事故にならないように消火活動にあたらなくてはならないので、通常の消火活動のようにはいかないのは確かなようだ。
また、火災や災害で破損した場合、有毒物質が流出する恐れがあることは自治体でも呼びかけている。
太陽光発電設備は、浸水したり破損したりしても光が当たれば発電することがあり、むやみに近づいたり触ったりすると感電することがあります。
また、モジュール(太陽光パネル)によっては鉛やセレン、カドミウムなどの有害物質が使われている場合があり、破損の状況によっては有害物質が流出する恐れもあります(※)。
家庭や事業所に設置した太陽光発電設備が台風や豪雨などの被害にあったときは、むやみに近づかないように十分に注意してください。
引用元
大牟田市 災害で壊れた太陽光パネルは危険です
宝塚市 災害で壊れた太陽光発電設備に注意してください
江別市 災害で壊れた太陽光パネルは危険です
東京都の太陽光パネル設置義務化に反対するも賛成するも各々の考えで判断するのはいいが、誤った情報に踊らされないよう注意していただきたい。