自民・高市氏「消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言があったが、でたらめを公共の電波で言うのはやめていただきたい」
NHKの日曜討論で、れいわ新選組の大石晃子政審会長が消費税を巡り「法人税は減税。お金持ちはさんざん優遇してきた。自公政権は鬼であり、資本家の犬と言わざるを得ない」と訴えると、自民党の高市早苗政調会長が「れいわ新選組の方から、消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言がこの間から何度かあったが、全くの事実無根でございます。でたらめを公共の電波で言うのはやめていただきたい」と反論する一幕があった。
参院選(7月10日投開票)の公示を22日に控え、NHKの「日曜討論」で各党の政策責任者による討論会が19日行われ、自民党の高市早苗政調会長が、れいわ新選組の主張に反論した。
参院選の争点で、消費税廃止を訴えたれいわの大石晃子政審会長は「岸田政権は1%たりとも減税しない、とドヤ顔で言い放った。おかしい。法人税は減税。お金持ちはさんざん優遇してきた。自公政権は鬼であり、資本家の犬と言わざるを得ない」と話すと、高市氏がすぐさま反撃に出た。
「れいわ新選組の方から、消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言がこの間から何度かあったが、全くの事実無根でございます。消費税の使途は社会保障に限定されている。地方分も社会保障にしか使えない。でたらめを公共の電波で言うのはやめていただきたい」とバッサリ。すぐさま大石氏は挙手し、反論しようとしたが、直後の発言機会は与えられなかった。
れいわは参院選公約で「消費税収は社会保障の一部にしか使われていません。消費税収の約73%が法人税減税の穴埋めに使われていたといえます」とうたい、山本太郎代表も同様の主張を訴え
高市早苗「れいわ新選組から『消費税が法人税の引き下げに流用されている』かのような発言が何度かあったが、全くの事実無根。消費税法第一条を読んで頂きたい。消費税の使途は年金・医療・介護・子育て等の社会保障に限定されています。【デタラメを公共の電波で言うのは止めて頂きたい】と思います」 pic.twitter.com/tmq4A7UDUG
— ピーチ太郎3rd (@PeachTjapan3) June 19, 2022
これには「よくぞ言った」「流石高市さん」「高市早苗氏の圧勝」という意見に対して、「でたらめは高市」「大石議員の指摘はデタラメではない」などと言った意見もあり、ネット上では意見が真っ二つ。
では、実際はどうなのか見てみよう。
財務省のホームページでは1990年度と2021年度の歳出と歳入を比較しているので見て頂きたい。
1990年度と現在の歳出を比較すると、社会保障費が大きく伸びている一方で、公共事業や教育など他の経費は横ばいとなっています。
歳入を見ると、税収などの収入の増加に対し、借金である公債金は約8倍と大幅に増加しています。
次に、税収。2021年度の消費税は18兆637億円だった。
財務省は21年度の税収を63.9兆円と、2年連続で過去最高を更新すると見込む。20年度は60.8兆円だった。
見積もりの進捗率は4月末時点で89.1%となった。新型コロナウイルス禍前の18年度の税収は19年4月末時点で52兆円だったが、21年度はこれを上回っている。
22年4月末時点の所得税は、前年同月末時点を19.3%上回る21兆868億円で、進捗率は105.3%と見積もりを超えた。雇用環境の改善や企業の賃上げの動きが広がり、給与所得が増えている。株価の上昇も税収増につながった。
企業業績の回復を受け、法人税は24.2%増の8兆1386億円。消費税は8.4%増の18兆637億円だった。
これを見ても、消費税による税収が社会保障費に足りていないことがわかる。1990年の社会保障費と2021年の社会保障費の差が24.2兆円増であり、増加分を消費税で支えていることがわかると思う。
社会保障費の増加分が消費税収よりも下回っているのなら大石氏の指摘もありうるが、実際は数字が示すとおりだ。
すなわち「消費税が法人税の引き下げに流用されている」というのは高市氏が指摘するようにデタラメだということがわかる。