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林外相の「ご指摘の人物」に全日本台湾連合会が抗議「礼節の国日本を「非礼の国日本」に貶めるもの」




林芳正外相が、安倍晋三元総理の葬儀に参加するため来日した台湾の頼清徳副総統を記者会見で「ご指摘の人物」と表現したことについて、全日本台湾連合会(全台連)が抗議文を発表した。

林外相は記者から「台湾の副総統が訪日されました。現職の高官の訪日は異例のことだと思いますが、大臣の受け止めをお願いします」と問われ、「今、ご指摘のあった人物につきましては、安倍元総理の葬儀に参加するため、あくまで私人として私的に訪日されているものだと承知しています」と述べていた。

日本国内でもこの発言が問題視され、自民党の佐藤正久外交部会会長はこの発言について「台湾副総統を軽く扱ってる」と指摘した。

他にも多くの人が「不適切な表現だ」と批判の声をあげていた。

林外相はその後、「頼清徳副総統の名前を挙げて質問があったので、それに応じる形で、『ご指摘の人物』と述べたのみだ」と説明したが、それについても自民党内から批判の声があがっていた。

そして、全日本台湾連合会(全台連)が林外相と外務省に対して抗議を発表した。

林芳正外務大臣は、7月12日の記者会見において、安倍元総理のご葬儀に参列されるためにわざわざ来日された台湾の頼清徳副総統に対し、「ご指摘のあった人物」との表現を用いられました。

たとえ私人の立場で来日されたとはいえ、また、正式な国交がないとはいえ、民主的な選挙で選出された一国の副総統に対して「人物」呼ばわりはあまりにも非礼にすぎるとは思わないのでしょうか?まして台湾国民の弔意を代表し安倍元総理の葬儀にいち早く駆け付けてくれた頼副総統に対して使うべき言葉ではありません。

釈迦に説法ですが、敢えて問います。台湾において大使館の機能を果たしている公益財団法人日本台湾交流協会 台北事務所前に設置されたメッセージボードのことはご存知でしょうか?そのメッセージボードに老若男女を問わず台湾の人々が引きも切らず、心のこもったメッセージを書き込んでいることをよもやご存じないということはないでしょう。林外務大臣の言動はそのような台湾の人々の真心に冷や水を浴びせるものであり、断じて許されるものではありません。

台日両国が、国交の有無を超越して、互いを「家族だ」と言い合うほどに、世界でも極めて稀で良好な関係を築き上げる努力をしてきた多くの人々の脚を引っ張るような発言は厳に控えていただきたく存じます。

巷間「林外務大臣は親中ではなく媚中だ」との批判がやまないのも、このような言動により林外務大臣の「真意」が誤解されているからではないでしょうか?

日本はかつて他国から「礼節の国」と評価されていました。林外務大臣の今回の言動は、その礼節の国日本を「非礼の国日本」に貶めるものであり、日本の国益を毀損するものではないでしょうか?

林外務大臣並びに外務省には、猛省を促すとともに、早急に公式に謝罪、訂正されますよう、礼節の国日本を慕う者として進言いたします。

2022年7月15日

全日本台湾連合会
会長 趙 中正
常務理事会・理事会一同

林外相と外務省は猛省し、謝罪と訂正を速やかに行うべきだ。そして、日本の周辺で同じ価値観を共有できるのは誰かをしっかり把握すべきだ。

岸田総理は、外相在任中の2016年5月、蔡英文氏が台湾新総統に就任することについて「台湾は基本的価値を共有し緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり大切な友人だ。日台間の協力と交流のさらなる深化をはかっていきたい」と述べていた。総理になってからも「台湾海峡の平和と安定の重要性」を提起している。

外交を預かるものとして、例え敵対していようとも、海外の要人を「ご指摘の人物」と表現すべきではない。ましてや岸田総理が「重要なパートナーであり大切な友人」と認識している国の要人に使うなどもってのほかだ。

安倍元総理の弔問に、副総統として参列すると軋轢を生むので、あくまで個人的に参列したと日本に配慮までしてくれた頼清徳副総統。そのような人を軽く扱うことは安倍元総理の顔に泥を塗ったと同じことだ。林外相は猛省すべきだ。







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