中国が台湾白書を発表「中国に属するという歴史的な経緯は明らか」外部の干渉勢力が挑発すれば武力行使も⇒蔡総統「現実を無視した希望的観測だ」
中国が22年ぶりに台湾問題の白書を発表。日米欧州など、外国勢力が干渉や挑発をして、「それがレッドラインを突破すれば断固たる措置を取らざるを得ない」と武力行使も辞さない姿勢を示した。
また、白書では台湾について「中国に属するという歴史的な経緯は明らかで、法的な事実もはっきりとしている」と主張。
中国の習近平政権は22年ぶりに台湾問題の白書を発表し、台湾独立勢力や外国勢力の「挑発」を受ければ武力行使も辞さない姿勢を示した。連携を強める台湾の蔡英文政権とバイデン米政権への圧力を強めた形だ。秋の中国共産党大会で習国家主席が台湾統一政策を打ち出す布石の可能性もある。
中国共産党は10日に発表した談話で今回の白書公表について、「中国統一の過程を妨害、破壊する悪質な言動」に対応するためだと指摘。台湾への軍事的圧力を常態化させようとする習政権の姿勢を正当化した。
白書では、台湾に関して「中国に属するという歴史的な経緯は明らかで、法的な事実もはっきりとしている」と主張した。日清戦争後に台湾が日本に「占領」されたことを「中華民族の近代の屈辱の縮図」と位置付け、台湾統一を進める意義を強調。「われわれは歴史上のいかなる時期よりも、祖国の完全な統一という目標に近づき、自信と能力を有している」とした。
白書は「平和統一、『一国二制度』は台湾問題解決の基本方針だ」とする一方で、過去の白書には明記されていた、台湾統一後に中国が「軍隊や行政官を台湾に派遣することはない」との文言が消えた。
また、米国の一部が「中国が平和統一を実現する障害を作り出している」と非難。「『台湾独立』分裂勢力や外部の干渉勢力が挑発し、レッドラインを突破すれば断固たる措置を取らざるを得ない」と威嚇した。
これに対して、台湾の蔡英文総統は「現実を無視した希望的観測だ」と非難。
台湾の蔡英文総統は10日、中国が発表した台湾統一に関する白書について「ますます両岸(台湾と中国)の現実を無視した希望的観測だ」と非難した。
与党・民進党の会合で語った。
蔡氏は、中国の白書が「一国二制度」を重ねて主張し、台湾に対する武力行使を辞さない姿勢を強調したことに「目的は武力威嚇だ」と反発した。もう一つの目的は「中国を恐れて妥協しようとする、ごく少数の台湾政党や人に手招きすることだ」とも述べ、野党が中国に接近する動きをけん制した。
挑発しているのはどっちだ?という話だ。干渉すれば攻撃するという発想がロシアとうり二つだ。民主主義を守るためにも台湾を守らなければいけないということが良く解る。
何か言えば「内政干渉だ口を出すな」。台湾と話せば「挑発とみて攻撃するぞ」。こんな国とどうやってまともに話をして外交で解決できるのだろうか?