【半端ないオーストラリアの弔意】安倍元総理の国葬儀に、現職元首相4人が参列へ
今月27日に執り行われる安倍元総理の国葬儀だが、オーストラリアの弔意が凄いことが分かった。
なんと、現職のアルバニージー首相を含め、元首相3人も参列することが分かった。
オーストラリアのアルバニージー首相は、今月27日に東京で行われる安倍元総理大臣の国葬に参列すると発表しました。
発表によりますと、安倍元総理大臣の在任中に首相を務めたハワード元首相、アボット元首相、それにターンブル元首相も同行するということです。
アルバニージー首相がことし5月の就任以降、日本を訪問するのは、就任直後に東京で行われた日本、アメリカ、それにインドとの4か国の枠組み「クアッド」の首脳会合に出席して以来、2回目です。
声明でアルバニージー首相は「安倍氏のリーダーシップのもと、オーストラリアと日本は経済・防衛面での連携や人的交流を深めた。私たちは自由で開かれた強じんな地域を発展させていくため、協力関係の強化を続ける」としています。
凄いのはそれだけではない。アルバニージー首相は労働党で、他の元首相3名は自由党。いわば政敵だ。しかし、アルバニージー首相は労働党から参列者を選ぶことができただろうに、安倍元総理と関係の深かった上記3名の元首相を選んだとオーストラリア在住の方は語る。
凄いな、、、歴代の豪首相が現職含めて4人も国葬に参加するそうです。未だに一般の人も、私が日本人だとわかるとお悔やみを言ってくれるのですよ。https://t.co/o7fcDA3qu4
— 🌏海外の声🇯🇵オーストラリアから🇦🇺Sachi (@sachihirayama) September 8, 2022
豪州が”首相団’を送るのは政治的配慮だと言っている人が居ますが、がそれだけではないです。現首相は労働党なので、同党の副首相やラッド元首相と共に来ることが出来た。それなのに政敵である保守党の過去の首相たちを選び国際的に活躍する場を与えたことは→
— 🌏海外の声🇯🇵オーストラリアから🇦🇺Sachi (@sachihirayama) September 8, 2022
一つには国内政治より国益を重視したこと。日本との関係を強化するには労働党、保守党関係がないと体現しています。
それからやはり安倍さんの死を心から傷む人(ハワード氏、アボット氏、ターンブル氏)を選んだのだと思いますよ。在豪邦人としてもこの人選には驚きました。
— 🌏海外の声🇯🇵オーストラリアから🇦🇺Sachi (@sachihirayama) September 8, 2022
日本の政治家は豪首相の演説を読んでいただきたい。野党は「暗殺は酷い、安倍氏のご冥福を祈る、しかし~」と形ばかりの弔辞だけ、保守の方々も悲しみは伝わりますが、安倍さんが何をしてきたのかを国民に知らせていない。両方必要なのです。https://t.co/RYmA0IFKeR
— 🌏海外の声🇯🇵オーストラリアから🇦🇺Sachi (@sachihirayama) September 8, 2022
日本では国葬に対して反対デモ!という世界的に見たら異常事態ですが、オーストラリアでは各州が最大限の敬意と弔意を示してくれており、これに文句を言う人は現地では聞いたことがありません。https://t.co/5Y0FtSJVom
— 🌏海外の声🇯🇵オーストラリアから🇦🇺Sachi (@sachihirayama) September 8, 2022
本当に弔意を示したい気持ちが伝わるし、日豪関係を構築していくうえで、党派の垣根を越えて強化していきたいというオーストラリアの考えが伝わってくる。
この関係の礎となったのが安倍元総理だ。
オーストラリアといえば、安倍元総理に外国籍の市民に授与できる勲章としては最高位になる名誉勲章を授与。
在日オーストラリア大使館は8月31日、同国の連邦総督が、参院選の街頭演説中に銃撃されて死亡した安倍晋三・元首相に同国の名誉勲章を授与すると発表した。外国籍の市民に授与できる勲章としては最高位になるという。
日豪経済連携協定の締結や日米豪印の4か国による枠組み「Quad」(クアッド)の創設などを高く評価しているほか、世界中に大きな影響を及ぼした「自由で開かれたインド太平洋」の提唱などを安倍氏の功績として挙げている。
発表では、安倍氏を「地域の繁栄と安定性」の推進のために「リーダーシップを発揮」し、「日豪関係のために卓越した努力を重ねた」と強調している。
まぎれもない感謝と友情の証だ。
そして、アルバニージー首相は「安倍晋三元首相の追悼決議」で胸を打つ演説をしていた。
安倍氏が殺害された翌朝にお伝えしたように、彼について過去形で語っているのは信じ難い。あの恐ろしい日、日本は真の愛国者、真のリーダーを失った。オーストラリアも真の友人、盟友を失った。実際、安倍氏がオーストラリアにもたらした友情は、温かい気持ちと著しい成果に満ちたものであった。日豪関係のさらなる強化に力を入れた安倍氏は、首相としてオーストラリアに5回も訪問してくれた。
安倍氏は、日本とオーストラリアの間における、いくつかの歴史的進展の実現に貢献してくれた。この中には、日本で活動するオーストラリア企業に新しい機会を創出した、日豪経済連携協定(日豪EPA)の批准が含まれる。安倍氏はまた、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の不屈の推進者でもあった。彼はまた、日豪関係を特別な戦略的パートナーシップへと高めた。安倍氏が長年にわたり、両国の関係強化を訴えたおかげで、両国は最近署名された日豪円滑化協定を始め、防衛協力を強化することができた。
日豪両国には民主主義や人権といった共通の価値観があり、国際社会のルールを基盤とした秩序を支えることが、お互いの共通の利益である点を、安倍氏は本能的に理解していた。真の政治家にふさわしく、安倍氏のビジョンは、しばしば自己破滅的である今風の政治サイクルの短さを超越していた。これにより、安倍氏は持続的な違いを生み出してくれた。中でも肝要なのは、地域や世界の安全保障に深い影響を与えた、自由で開かれたインド太平洋地域という彼のビジョンであり、日米豪印の枠組み(クアッド)の実現に彼が果たした役割である。
変化と予見不可能な世界において、安倍氏は確実性に満ちた、安心できる存在であった。日本との友好関係は、オーストラリアの国際関係の中心に位置する。両国の友好関係の中心には、温かさが存在する。敬意があり、信頼がある。安倍氏はこれらを体現していた。かつての強い敵意から両国間に友情が育まれたと考える時、この友好関係は一層素晴らしいものとなる。安倍氏はまさに、この点を強く意識していた。下院の場に立ち、第二次世界大戦の惨禍を語った安倍氏は、亡くなった人々や、心身に傷を抱えた多くの残された人々に、お悔やみやいたわりの言葉を捧げた。そして安倍氏は同時に、温かい友好関係の緩やかな幕開けに、また不可能と思えることを可能にした国に感謝の意を捧げた。彼は以下のように語っている。
「皆さんが日本に対して差し伸べた寛容の精神と、友情に、心からなる、感謝の意を表します。 私たちは、皆さんの寛容と、過去の歴史を、決して忘れることはありません。」
四年後の2018年、安倍氏は日本の首相として初めてダーウィンを訪れ、その最中に慰霊碑へ献花を行った。確かに安倍氏は、のどかな時代に首相に選ばれる運命にあったわけではなく、決意を持って課題に取り組んだ。
これ程の勇気と人格を兼ね備えた人物が、このような全くの臆病者の行為で命を奪われるというのは、何とも釈然としない。日本の友人の皆様に、再度呼びかけたい:日本が培ってきた貴重な民主主義は、こうした行為より強い。私たちが共有する、また私たちの社会をひとつにする価値観は、こうした行為より強い。暴力により挙がった手が、実に多くの手が平和裏に成し遂げてきた成果を力で圧倒してしまうのは、決して許されることではない。この残忍な行為が、こうした高い志と共に生きた人生に影を落とすようであってはならない。
安倍氏のご遺族と彼が愛した安倍昭恵夫人に対し、オーストラリア国民による心からの追悼の意を表したい。さらに日本の方々へ、オーストラリアの友人たちは、皆様と深い哀しみを分かち合う。しかし哀しみの渦中においても、私たちは安倍氏の生涯を祝福しなくてはならない。彼の人生は、それほどの成果をもたらすものであった。安倍氏は、日本や私たちの地域で、また世界中で事態を良い方向に変えてくれた。どう判断しても、これこそ良く生きた人生といえる。安倍氏のご冥福をお祈りしたい。
引用元 安倍晋三元首相の追悼決議
オーストラリアにはありがとうと言いたい。そして、日豪関係がさらに深まっていくことを願う。