英トラス首相「台湾が自らを防衛することができるよう、同盟国と協力していく決意だ」
イギリスのトラス首相が台湾問題に言及。「台湾が自らを防衛することができるよう、同盟国と協力していく決意だ」と述べた。
また、トラス首相はウクライナを「教訓」としなければならない、同じ過ちを繰り返してはいけないと訴えた。ジョンソン前首相も「ウクライナが危機にさらされれば、世界中に衝撃が波及する。東アジア、台湾にも波及するだろう」と訴えていた。
英国のトラス首相は25日放送の米CNNテレビのインタビューで、中国が台湾周辺での軍事的圧力を強めている現状を踏まえ「台湾が自らを防衛することができるよう、同盟国と協力していく決意だ」と強調した。ロシアによるウクライナ侵攻を許した事実を「教訓」とし、世界の他の地域で同じ過ちを繰り返してはならないと訴えた。
トラス氏は首相就任前の外相在任中と同様、中国に強い姿勢で臨む立場を改めて明確にした。一方、台湾への軍事的支援に踏み切るかどうかについては、明言を避けた。
ウクライナ危機を巡り、ロシアのプーチン大統領が部分動員令を出すなど、軍事的攻勢を強める動きを見せていることについては「威嚇や脅し」に屈するべきではないと主張。ロシアの成功を許せば「主権国家への侵略が許されるというメッセージを世界の専制国家に送ってしまうことになる」と懸念を示し、今後もウクライナへの支援を続けていくと強調した。
バイデン米大統領も18日に放映されたCBSの番組のインタビューで、「中国が侵攻した場合、米軍は台湾を防衛する」と言明したことをロイターが報じた。バイデン大統領は、5月の岸田総理との共同記者会見でも、中国が台湾に侵攻した際に米国が台湾防衛に軍事的に関与するかと問われ、「イエス。それが我々の誓約(コミットメント)だ」と答えた。
台湾問題に関しては、3月初旬にイギリスはアメリカとハイレベル協議をおこなっており、3月下旬には米英双方の高官が台湾で2日間に渡って会合したと、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が伝えていた。
米英は台湾防衛に積極的に関与することをトップが表明した。これは「台湾有事は日本有事」と唱える日本にとっても他人事ではない話だ。