水際対策大幅緩和で、海外では日本旅行の予約殺到、航空各社も増便へ。経済効果に期待
新型コロナウイルスの水際対策が11日から大幅に緩和された。円安も影響してか、海外では日本旅行の申し込みが殺到している。
台湾では日本ツアーの申し込みが殺到して、日本が一番人気の旅行先だという。
日本の水際対策が緩和され海外からの観光が実質的に「解禁」されたことを受け台湾では日本ツアーへの申し込みが殺到しています。
台湾メディアが伝えた「海外旅行解禁」に関するニュースの映像です。
きょう(11日)から日本への観光が実質的に「解禁」されるのを前に旅行会社には日本ツアーへの申し込みが殺到しました。
円安の影響もあり「日本」が一番人気の旅行先だということです。
韓国でも、日本便の航空機の予約がほぼ満席状態となり、航空各社は増便を急いでいるという。
日本政府が11日から短期滞在ビザ(査証)の取得免除や外国人の個人旅行の受け入れ解禁など新型コロナウイルスの水際対策を緩和した。航空業界関係者によると、大部分の日本路線は満席に近いほど予約率が高いことが分かった。
香港のキャセイパシフィック航空もプレスリリースで増便を発表。
キャセイパシフィック航空(本社:香港、最高経営責任者:オーガスタス・タン)は、本年10月以降、旅客便全体で200以上の往復便を追加する予定です。これは、香港特別行政区政府が、2022年9月26日より香港到着時の3日間の宿泊隔離を撤廃したことにより、旅行意欲が高まり、旅行者の増加を見据えたもので、香港のハブ空港を発着・経由するネットワークの接続性が強化されることを期待しています。
日本路線では、11月1日より香港・羽田間を週7往復(毎日1便)、12月1日より香港・札幌間を週4往復で再開します。また、11月以降、香港・大阪間は週14往復(毎日2便)に増便します。
他にも、シンガポールやマレーシアなどの東南アジアでも日本旅行の関心が高まっているという。
イギリスの調査会社が実施したアンケート結果では、次に行きたい旅行先として、日本が圧倒的に1位だった報じられ、日本企業が行った「海外に住む外国⼈558⼈に聞く「個人旅行解禁後の日本への旅行計画」に関する調査」でも、次のような回答だった。
・2022年10月を目途に個人旅行が解禁になることを知っている外国人は8割以上
・すでに日本旅行の計画を立てた外国人は約3割
・約半数が次の旅行先は日本と決めている
・94.1%の外国人は、発表を受け日本旅行を検討している
・訪日予定の外国人は、日本は外国人旅行客を“歓迎ムードかどうか”が気になっている
・引き続き、日本独自の「マスクルール」は懸念ポイント
観光庁によると、コロナ感染拡大前だった2019年の訪日観光客は3188万人で、それに対して2020年は412万人、2021年は25万人(参考)。野村総合研究所は「年間7.1兆円の経済損失が生じたことになる」と訴えた。
新型コロナウイルス問題が生じる前の2019年には、海外観光客による効果、いわゆるインバウンド需要が4.8兆円、留学生など長期滞在者の経済効果が2.7兆円、合計で7.5兆円の経済効果が生じていたと試算される。これは、年間の名目GDPを1.3%押し上げた計算だ。かなり大きな経済効果である。
ところが新型コロナウイルス問題によって外国人観光客の入国はほぼゼロとなり、また留学生など長期滞在者の入国も急減してしまった。その結果、2021年の外国人入国による経済効果は3,600億円まで減少した計算だ。2019年と比べると、年間7.1兆円の経済損失が生じたことになる。
インバウンドが戻れば、それだけの経済効果が期待できる。
菅義偉前総理も「政府は円安のメリットを生かした政策を方向性を出してやるべきだ」と訴え、訪日外国人の受け入れ緩和や農林水産品の輸出拡大促進を求めた。(参考)
一部では、海外観光客が減ったから静かになったという意見もあり、その点に関しては私個人としても同意する面もあるが、経済の立て直しにインバウンド効果が起爆剤になってくれることを願っている。
出来ることなら、文化財を汚したり、所かまわず大声でわめいたり、あちこちにごみを捨てないようなモラルとマナーが守れる人に日本に来てもらいたい。