中国の抗議デモが日英豪にも飛び火。大使館前などで「習近平は退陣せよ！」「中国共産党は立ち去れ！」「ゼロコロナに反対」
中国各地で行われている抗議デモが、東京、英国、オーストラリアにまで飛び火したと産経新聞が報じた。
在住中国人などが各国の大使館前などで「習近平（国家主席）は退陣せよ！」「中国共産党は立ち去れ！」「ゼロコロナに反対」「中国共産党を打倒しなければ自由はない」などと訴えたそうだ。
英メディアによるとロンドンの中国大使館前で２７日夜、香港出身者を含む数百人が集結。「中国の人々は何十年も抑圧されてきた」「中国共産党は立ち去れ！」などと気勢を上げた。当局への抵抗を象徴する白い紙を掲げ、デモへの連帯を示す人の姿もみられた。
香港民主化運動の指導者で英国に亡命した羅冠聡（ら・かんそう）氏は、ツイッターに「あなたたちが行ったことは歴史に壮大な出来事として刻まれる」と投稿した。
オーストラリアのメルボルンでも２８日、在住中国人ら数十人が参加したデモが行われた。中国で拡大した抗議活動のきっかけとなった新疆ウイグル自治区ウルムチ市での火災の死者に哀悼の意を示した。
ウォン外相は地元メディアに「豪州は表現の自由と平和的な抗議の権利を強く支持している」と述べた上で、「中国当局が抗議者と建設的に関わり、彼らが提起した懸念に対処することを強く求める」と指摘し、中国政府に対応を求めた。
日本でも２７日夜、在日中国人ら約２００人（主催者調べ）が東京・新宿駅西口で抗議活動を展開。「習近平（国家主席）は退陣せよ！」などと叫び、習政権に反対の意を示した。
参加者らは「ゼロコロナに反対」「中国共産党を打倒しなければ自由はない」などと中国語や日本語で訴えた。新疆出身の漢族が少数民族への弾圧を止めるよう求める場面もあった。
もちろん中国国内でも抗議デモは中国全土に広まり、国内は大変な事態に陥っている。しかし、香港の抗議デモの際には警察は実弾や催涙弾などを使用しデモ鎮圧を行った。最終的には香港付近に軍を配備して圧力を加えた。また、指導者も拘束されたのだが、今回はそれに比べて、今のところは随分おとなしい。「ゼロコロナに反対」という不満を緩和させたいため、強引な封じ込めは避けたいのだろうか。
だが、一方では、中国国内で事態が長引けば、世界経済への影響は避けられないとの見方も指摘されている。
オーストラリアのウォン外相は抗議運動を指示したうえで中国政府に対応を求めたが、日本や英国はどういう態度をとるだろうか。この抗議デモが紹介した３国以外にも飛び火するか。中国が今後どのように対応するかが注目される。