【状況が違うのでは?】共産・志位委員長「「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生して日本の存立が脅かされる」場合にも、行使すると書いてある。 日本に対する武力攻撃がなくても、米国が始めた戦争に「反撃能力」で参戦。これが現実的危険だ」
日本共産党の志位和夫委員長が反撃能力について次のようなツイートをしていた。
自公が実質合意した「反撃能力」。
「日本への武力攻撃が発生」だけでなく、
「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生して日本の存立が脅かされる」場合にも、行使すると堂々と書いてある。
日本に対する武力攻撃がなくても、米国が始めた戦争に「反撃能力」で参戦。これが現実的危険だ。— 志位和夫 (@shiikazuo) December 1, 2022
歪曲も甚だしい。
同盟国や友好国が武力攻撃を受けたときと、米国が始めた戦争とではまったく状況が異なる。
しかも、「日本への武力攻撃や他国への攻撃で日本の存立が脅かされる明白な危険がある」場合と記されている。
政府は1日、相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」を行使する際の条件を公明党に提示した。通常の自衛権の行使と同様に「武力行使の3要件」を満たす場合に限る。公明党が了承したため、自民、公明両党は2日に反撃能力の保有について合意する。
3要件は①日本への武力攻撃や他国への攻撃で日本の存立が脅かされる明白な危険がある②国民を守るために他に適当な手段がない③必要最小限度の実力行使にとどまる――を指す。反撃に着手するタイミングに関しては個別に判断する方針だ。
例えば、台湾有事の際に沖縄に戦火が及ぶ危険性のある場合や、米国が一方的に他国からミサイル攻撃を受けた場合は当てはまるだろうが、米国が他国に侵攻した場合とは全く状況が異なる。志位氏のツイートにもそれが記されているではないか。
しかも、法的には同盟国を攻撃しようとする第三国の攻撃に反撃能力を利用することも可能となるが、同盟国や友好国に対する実際の運用には慎重な姿勢を取っている。
政府が検討する敵のミサイル拠点などを攻撃する「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の行使について、日本が侵攻を受ける「武力攻撃事態」だけでなく、同盟国などが武力攻撃を受けて集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」に関しても除外しない方向で検討していることが24日、分かった。複数の政府・与党関係者が明らかにした。
中略
一方、平成27年に成立した安全保障関連法制では集団的自衛権を限定的に容認した。同盟国や友好国が武力攻撃を受け、日本の存立が危機に陥る事態となれば武力行使が可能となる。こうした存立危機事態の認定でも武力行使の3要件が必要なため、法的には同盟国を攻撃しようとする第三国の攻撃に反撃能力を利用することも可能となる。
ただ、実際の運用上は、集団的自衛権に基づく武力行使は戦闘地域における同盟国への後方支援や機雷除去などを想定している。敵国へのミサイル攻撃などは日本への攻撃を招きかねず、政府幹部は「存立危機事態での反撃能力行使は現実には難しい」と話す。自民、公明両党のWTはこうした考え方におおむね理解を示しており、政府は与党との協議を踏まえ、年末に改定する「安保3文書」に盛り込む構えだ。
だが、志位委員長のツイートを見る限りは、日本が「よし!米国が戦争始めたから日本も参戦するぞ!」という方向に進んでいると解釈されかねない。
誰も戦争をしたいとは思っていない。敵基地攻撃能力を保有することで、攻撃を思いとどまらせる抑止力を高めるもので、あくまでも戦争抑止のための手段だということを忘れてはいけない。
反対するにしてもまともに反論するべきだ。政治家のこういった歪曲を信用してしまう人たちが少なくともいることを忘れてはならない。