玉城知事「沖縄から地域の緊張緩和への貢献を図っていく。中国や台湾、韓国などへ訪問し、カウンターパートとしての関係構築を継続したい」
沖縄県の玉城デニー知事が、中国、台湾、韓国などへの自治体外交に意欲を見せていると琉球新報が伝えた。
玉城知事は「沖縄から地域の緊張緩和への貢献を図っていく。今後も新型コロナの感染状況を注視しながら、私や副知事が中国や台湾、韓国などへ訪問し、カウンターパートとしての関係構築を継続したい」などと述べたという。
玉城デニー沖縄県知事は20日、沖縄が武力攻撃に巻き込まれる恐れが強い台湾有事を回避する一助にしようと、県として自治体外交を展開する考えを示した。玉城知事は「沖縄から地域の緊張緩和への貢献を図っていく。今後も新型コロナの感染状況を注視しながら、私や副知事が中国や台湾、韓国などへ訪問し、カウンターパートとしての関係構築を継続したい」などと述べた。報道各社が参加する新春インタビューの場で表明した。
合わせて玉城知事は台湾海峡で有事が発生した場合、沖縄は必ず紛争に巻き込まれるとの軍事評論家の意見も紹介した。「有事とは日本国内が戦争状態になることだ。エネルギーなどさまざまな資源を外国に依存している日本が果たして独立して存立できるのか。政府は77年前の沖縄戦を再び引き起こすことは絶対にさせない、有事には絶対にさせないとしっかりと伝える必要がある」などと強調した。
玉城知事は、米軍による過重な基地負担だけでも「異常な状況」の上、安全保障関連3文書の改定を受け、今後自衛隊の増強が見込まれることに懸念を示した。「沖縄だけに、米軍も置いて自衛隊も置いて安全保障の負担を強いる状況が当たり前というような議論は不合理だ。ロシアによるウクライナ侵攻を見ても軍事施設は攻撃の対象となる。軍事関係者からは(武力衝突に巻き込まれることは)避けられないとの意見が大勢を占めている」と話した。
一方、9月の知事選で再選を果たした際、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の断念に向けて、国際連合の場で発信すると表明していたが「具体的な場所や時期については今検討を進めている」と述べるにとどめた。
自治体が安全保障に関して、国家とのカウンタパートになりえるだろうか?沖縄県知事として緊張感を持っていることは理解するが、ならばなおさら政府と緊密に連携を図るべきではないだろうか。
「沖縄だけに、米軍も置いて自衛隊も置いて安全保障の負担を強いる状況が当たり前というような議論は不合理だ」とあるが、県外の人たちも、沖縄県に基地が集中していることを当たり前と思っている人はそんなにいないと思う。むしろ、やむを得ないと思っている人の方が多いと思う。沖縄県は地勢上、基地があろうがなかろうが攻められやすい。中国からすれば、太平洋進出に向けて先島諸島は陥落させたい土地なはずだし、万が一、日本侵攻を考えた場合、真っ先に侵攻するのは沖縄だ。そこに基地が多く存在するのは、防衛上、仕方のないことだと考える。
そこに米軍基地があるということは、そこに米国があるということだ。玉城知事は「ロシアによるウクライナ侵攻を見ても軍事施設は攻撃の対象となる」と述べているが、攻撃されたのはウクライナの軍事施設だ。米軍基地やNATO関連の施設ではない。万が一、米軍基地が攻撃されれば米国に戦争を仕掛けたことに繋がる。よほどのことがない限りそんなことをするのは今時点では中東の過激な国家や組織以外はないはず。他はせいぜい挑発行為をするのが関の山だ。このように、米軍基地が存在することで強烈な抑止力が沖縄県に存在していることを玉城知事は理解しなくてはいけない。
なにより、安全保障に関わる外交を、知事が独断で行うことはいかがなものだろう?政府にも戦略というものがあるはず。相手にされるかどうかはわからないが、もし、玉城知事が本当に独自外交をしたとして、引っ掻き回すことにならなければいいのだが。