麻生副総裁「防衛費の増強は、やむを得ない。それに伴って、ある程度、増税があり得るかもしれないということを含めて、私どもは、その方向で今、進めつつあります」
自民党の麻生副総裁が講演で防衛費を増額するための増税について理解を求めた。
麻生氏は「少なくとも防衛費の増強は、やむを得ない。それに伴って、ある程度、増税があり得るかもしれないということを含めて、私どもは、その方向で今、進めつつあります」と述べたという。
自民党の麻生副総裁が講演し、ロシアによるウクライナ侵攻や台湾有事の可能性などをあげ、防衛費を増額するための増税に理解を求めました。
講演で麻生氏は、ロシアによるウクライナ侵攻について「国連は何も機能していない。自国のことは自分で守らなければならないという現実が示されている」と指摘。今後、「ロシアが北海道に攻めてこないという保証はない」と危機感を示しました。
また、中国についても「台湾を支配する意欲を全く隠していない。台湾への侵攻を開始する可能性は否定できない」などと述べ、防衛費を増額するための増税に理解を求めました。
自民党・麻生副総裁「少なくとも防衛費の増強は、やむを得ない。それに伴って、ある程度、増税があり得るかもしれないということを含めて、私どもは、その方向で今、進めつつあります」
また、中長期の大きな問題として「人口問題」や「エネルギー問題」、そして「安全保障の問題」をあげ、こうした課題に着実に取り組んでいく考えを示しました。
甘利前幹事長は防衛費増額に伴う増税について「財源は確定していて、要するにいつから増税を実施するかだ。ことしは年末ではなく、通年で早くから根本的な議論をしようとなっていて、そこで防衛費の議論は終結する」(参考)と述べて反発を招いた。しかし、麻生氏の話だと、増税も視野に入れて検討を行っていると読み取れる。これなら多少は理解はできる。ただ、萩生田政調会長や世耕参院幹事長などは、できれば増税は回避できるように他に財源を模索すべきと言っているので若干ニュアンスが違うように感じる。麻生氏の発言は、甘利氏と萩生田氏らの主張の中間をとったようなものと感じた。
いずれにしても党内の意見がまとまっていない様子がうかがえる。まずは党内で議論を深め、まとめてから国民に発信すべきではないだろうか。
余談だが、朝日新聞が麻生氏が「冷戦は終わり、新しく米中冷戦が始まるかも知れないというなか、防衛費をGDP比2%にするという案を自民党、公明党の連立内閣で考えた。もっと「反対」との反応が出てくる可能性を覚悟して臨んだが、多くの国民の理解を得て「少なくとも防衛費を増強せねばならない。それに伴ってある程度増税がありうるかもしれない」ということも含めて、私どもはこの問題に真剣に取り組んでいるという姿勢を評価していただいている。そう思って私どもは今、その方向で進めつつある」と語ったことを『自民・麻生氏「防衛費増強と増税、多くに評価していただいている」』というタイトルで報じた。
麻生氏は、防衛費増額を含めた安全保障問題について真剣に取り組んでいる姿勢が国民に評価されていると言っているのに、朝日はそこに国民が反発している増税を加えた。タイトルだけを見た人は「増税は評価していない」と反発するだろう。相変わらずミスリードがお好きなようで。