韓国の政府系研究機関、処理水について海洋放出した場合も「大きな影響がない」
韓国の政府系研究機関が、東京電力福島第一原発から発生した処理水について海洋放出した場合も「大きな影響がない」とするシミュレーション結果を発表したという。
2021年にも韓国メディアが、韓国政府の合同タスクフォース(TF)が作成した報告書(2020年10月に作成)で「科学的に問題ない」という回答が出ていたことを報じていた。
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、韓国の政府系研究機関が、海洋放出した場合も「大きな影響がない」とするシミュレーション結果を発表しました。
韓国の海洋科学技術院などは、福島第一原発の処理水を太平洋に放出した場合に放射性物質「トリチウム」がどのように拡散するかシミュレーションしました。
その結果、トリチウムは10年以内に北太平洋全体に拡散するものの、濃度は韓国海域の水準の10万分の1と極めて低い濃度になると推定されると発表しました。
担当者は「この程度の濃度は、実際に海洋に存在するトリチウムに比べてかなり少ない量」だとし、「数値だけ見れば大きく影響がない」と説明しています。日本政府は福島第一原発の処理水について、今年の春から夏ごろに海洋放出する方針で、韓国政府はこれまで懸念を示しています。
当然のことと言えば当然のことなのだが、「数値だけ見れば大きく影響がない」というのが引っかかる。これだと多少は影響があると取られてしまう。海洋放出を反対する人はそこをついてくるだろう。「この程度の濃度は、実際に海洋に存在するトリチウムに比べてかなり少ない量」と考えるならば「数値だけ見れば影響がない」という表現が正しいのではないだろうか。
とはいえ、これをきっかけに処理水海洋放出への理解が広がって欲しい。日韓のメディアも、これを機に「汚染水」とか「汚染処理水」などといった報道はやめて「処理水」と報じて欲しい。それが風評被害を抑えるための第一歩だ。