安倍元総理の回顧録の内容が問われる予算委員会→物価高騰対策を安全保障政策の議論に充てるべきだったのでは???
衆議院予算委員会が開催されているが、メディアによって報じられる国会の議論は国民生活からは遠いと感じるものが目立つ。
週刊誌ネタかと思えば、今度は安倍元総理の回顧録の話で予算委員会は持ち切りだった。我国で最長の政権を担った安倍元総理。その回顧録が注目されるのは理解できるが、我国の喫緊の課題を置き去りにして閣僚に問う程のことなのか。
物価高騰対策、それに安全保障政策と議論しなければならないことは山ほどある。回顧録について予算委員会で議論している時間は、あるのだろうか??
予算委員会で問われ続けた回顧録の内容
通常国会が召集され、その代表質問に立った立憲民主党の泉代表は防衛費増税について政府を厳しく追及していた。「まさに額ありき、増税ありき、国会での議論なしの乱暴な決定ではないか」(参考)と語っていた泉代表、当然その言葉を反映する予算委員会になるのかと期待した。
しかし、だ。2月13日に毎日新聞が報じた国会質疑の様子は全く違うものであった。その予算委員会の質問の中心を成したのは安倍元総理の回顧録だった。
13日の衆院予算委員会で、今月発売された安倍晋三元首相の回顧録に記された内容に関する質問が相次いだ。閣僚は一様に明確な答弁を避けたが、憲政史上最長の8年8カ月にわたり、内政、外交を取り仕切った元首相の「証言」だけに、野党の関心の高さがうかがえた。
この日は、立憲民主党から質問に立った3議員全員が回顧録の内容を問うた。
安倍元総理の回顧録が注目を集めるのは理解できるが、今の閣僚に問いただして何か答えが出るものなのか。
回顧録について質問をした本庄衆議院議員に至っては政府に統一見解を求める始末だ。
本庄知史氏は北方四島を巡る日露間の交渉について質問。2018年の日露首脳会談の際、翌19年に大阪で開催予定だった主要20カ国・地域(G20)首脳会議での「合意を目指すことで一致していた」と安倍氏が語ったことの真偽を問うた。当時外相だった河野太郎デジタル相は「所管外」との答弁を繰り返し、本庄氏が回顧録についての政府の「統一見解」を取りまとめるよう求める一幕もあった。
(出典 衆議院インターネット審議中継)
安倍元総理の回顧録が仮に政府の公式文書ならまだ統一見解を求めることも理解できるが、当然公式文書でもなんでもないのだ。
質問を受けた閣僚は「所管外です」「コメントしかねる」と答弁するしかない。
安倍元総理の回顧録の内容を予算委員会で問うのではなく、国民生活に直結する物価高騰や賃上げについて議論していた方が、低迷する支持率を少しは上昇させるチャンスになるのではないか。
そして安倍元総理の回顧録から質問内容を探すのではなく、回顧録から是非、立憲民主党に欠ける政権運営や外交センスを学んでもらいたい。