【国連安保理】中露が北朝鮮を擁護で、一致した対応とれず
北朝鮮が発射した大陸間弾道ミサイルが日本のEEZ内に落下したことを受け、国連安全保障理事会は20日、公開会合を開いた。
日本や米国が安保理決議違反だと強く非難したのに対し、中国とロシアは米韓が軍事訓練で緊張を高めたと北朝鮮を擁護し、一致した対応は取れなかったという。
またしても国連安保理の機能が働かなかった。
国連安全保障理事会は20日、北朝鮮の18日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)と20日の短距離弾道ミサイル発射を受けて公開会合を開いた。日本や米国が安保理決議違反だと強く非難したのに対し、中国とロシアは米韓が軍事訓練で緊張を高めたと北朝鮮を擁護し、一致した対応は取れなかった。会合後、日米韓など11カ国は共同声明を発表し北朝鮮を強く非難した。
共同声明には他に英仏、アルバニア、エクアドル、マルタ、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、モザンビークが名を連ねた。声明は北朝鮮は核不拡散体制を弱らせているとし、北朝鮮に対して完全かつ検証可能で不可逆的な方法で「大量破壊兵器と弾道ミサイルの開発の放棄」を求めた。
会合では、日本の石兼公博国連大使が「ミサイルは北海道のわずか200キロのところに落下した」と危険性を訴え、「言語道断だ」と北朝鮮を強く非難した。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「拒否権を持つ2カ国が安保理を沈黙させている」と中露を批判。北朝鮮を擁護すれば「アジアと世界を紛争の危険にさらすことになる」と述べ、安保理が一致して非難するべきだと訴えた。
これに対し、中国の戴兵国連次席大使は「北朝鮮は強大な安全保障上の脅威に直面している」と米韓などを批判。ロシアのポリャンスキー国連次席大使も「北朝鮮に一方的な武装解除を求めるから事態が行き詰まる」と米国を批判した。
こうなることは分かり切ったことだが、それでも声をあげ続けなければいけない。もはや機能不全と言われている国連安保理だが「ないよりましだ」という意見もネット上でささやかれている。このまま中国とロシアをのさばらせていては、まさに「何も決められない国連安保理」のまま存続することになる。
安全保障を巡っては、中露などと対話で解決しろという意見をよく聞くが、まともな対話ができる国だろうか?