岡田幹事長の合流呼びかけに、玉木代表「上から目線の一方的な発言」と反発
立憲民主党の岡田克也幹事長が党大会で「働く人々を代表する政党は、一つで十分だ」と指摘し、国民民主党に合流を促したことについて、国民民主党の玉木雄一郎代表が「国民は働く者の立場に立ってこれからもしっかり活動していく」「上から目線の一方的な発言で、距離は遠ざかる一方だ」と反発した。
国民民主党が立憲民主党からの合流呼びかけに反発を強めている。
立民の岡田幹事長は19日の党大会で、「働く人々を代表する政党は一つで十分だ」と指摘。20日のインターネット番組でも、「一つで十分。分裂はよくない」と繰り返し、国民に立民への合流を促した。
これに対し、国民の玉木代表は21日の記者会見で「国民は働く者の立場に立ってこれからもしっかり活動していく」と強調し、提案を一蹴(いっしゅう)した。
立民と国民はともに民主党を源流とし、連合の支援を受けている。国民幹部は「上から目線の一方的な発言で、距離は遠ざかる一方だ」と批判した。
玉木代表は重要政策の一致ができないままの合流はないと述べている。
ただ、玉木氏は「大きなかたまり」論には否定的な立場を続けている。2月19日朝放送の「NIKKEI 日曜サロン」(BSテレ東)の中で、「そういう考え方は否定しないし、私もそういうことをかつては主張していた」とする一方で、安全保障とエネルギー分野では政策の一致が不可欠だと主張。それができないまま合流しても
「結局ばらけるし、それを有権者はよく見ているので『結局選挙目的だよね』と言われると、結局集まる意義も薄れる」
として、改めて
「一致できればいいが、一致できなければ、厳しいが独自で戦う」
と主張した。
安全保障とエネルギー分野は極めて重要な政策だ。付け加えると、憲法改正についても両党は一致できていない。そもそも政策の違いから袂を分かつことになった党同士が、再び合流するのは新規合流よりも困難だと考える。
立憲民主党は国民民主党と合流する際に、政策の見直しをするつもりがあるのだろうか。政策方針は立憲民主党の従来のままで合流しろと考えているのならば、あまりにも一方的であり傲慢だ。
また、立憲民主党と共産党との閣外協力について、玉木代表は「立憲との合流はもうない」の明言した。立憲民主党は参院選前に白紙にしたと言っているが、共産党は反発していて、選挙協力は参院選でも継続している。共産党との関係も一つのカギとなっていると考える。
政策そっちのけでとにかく野党が一つの塊になって自民党に対峙したい立憲民主党と、政策を重視したい国民民主党とでは考え方に違いがありすぎるので、無理やり合流しても玉木代表が指摘するように「結局ばらける」だろう。