【竹島の日】松野官房長官「竹島は歴史的事実に照らしても国際法上も明らかにわが国固有の領土」⇒産経「領土守る明確な意志示せ」
松野博一官房長官は、2月22日に島根県で開催される「竹島の日」記念式典に関し、22日の記者会見で「竹島は歴史的事実に照らしても国際法上も明らかにわが国固有の領土であります」と語った。また、産経新聞の記者からの質問で、県から岸田首相ら閣僚の出席を求められていたが、例年通りの対応となったのはなぜかと問われると、松野官房長官は「諸般の情勢を踏まえ検討した結果」と述べるにとどめた。(参考;令和5年2月22日(水)午前 内閣官房長官記者会見)
その産経新聞が主張(社説)で、政府に対して「領土守る明確な意志示せ」と訴えた。
北朝鮮による日本海へのミサイル発射が相次ぎ、ロシアによるウクライナ侵略から間もなく1年となる中で、島根県条例による18回目の「竹島の日」を迎えた。
竹島(島根県隠岐の島町)は歴史的にも国際法上も紛れもない日本固有の領土である。
北朝鮮への対応で日米韓の連携は重要性が高まっているが、韓国による竹島の不法占拠は、わが国に対する明白な主権侵害だ。日本政府はもっと毅(き)然(ぜん)とした対応を講じるべきである。
明治38(1905)年、政府は閣議決定で竹島を島根県に編入した。このときにはどの国からも抗議はなかった。韓国が領有権を主張し始めたのは、サンフランシスコ平和条約の発効で日本が主権を回復する前の1952年だ。
一方的に「李承晩ライン」を設定して竹島をその中に含め、日本漁船を拿(だ)捕(ほ)し、日本の巡視船を攻撃した。火事場泥棒的な国家犯罪である。
にもかかわらず、「竹島の日」は政府ではなく、県制定のままである。県などが松江市で開く式典には政務官の出席にとどまり、閣僚はだれも参加しない。これでは領土を取り戻し、守り抜くという政府の覚悟は見えない。
とくに日本は今年、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の議長国を務める。ウクライナ侵略や中国のスパイ気球、北朝鮮の核・ミサイル問題など、世界に対する脅威が続く今こそ、議長国の日本は自らの領土を守る意志を国際社会に改めて示さねばならない。
昨年5月に就任した韓国の尹錫悦大統領は、日本との外交関係を重視する姿勢をみせており、いわゆる「徴用工」問題の解決に向けた協議を続けている。
韓国国防省は2022年版の国防白書で、日本を「近しい隣国」とし、「価値を共有」するとの表記を6年ぶりに復活させた。聯合ニュースはこれを「(表記を)格上げし、関係改善の意志を反映した」と報じた。
だが、竹島については「明白な韓国固有の領土」と強調し、「断固、厳重に対処する」とも明記している。こうした不法占拠は到底許されない。
領土を守らなければ、国民の生命や財産を守り抜くこともできない。岸田文雄政権は、自国の領土を取り戻す戦略を練り上げる必要があることを銘記してほしい。
保守派の多くが韓国との関係改善に懸念を抱いている原因は竹島の主権侵害が継続されていることだ。この問題を棚上げにしたままで関係改善などありえないというのが多くの人の意見だ。他にもレーダー照射問題や歴史認識問題などあるが、国家間で一番重要な問題である主権侵害について、これまで「竹島は日本固有の領土だ」と訴えるだけで領土を取り戻そうとする行動が見られなかったことにいら立ちを感じている。これまでは文政権のような反日政権で準敵対国のような関係だったから日本国民も批判の目は韓国に向いていたのだが、親日政権が誕生して、関係改善しようとなった今はそうはいかない。竹島問題を棚上げにしたまま関係改善はありえないと、国民の批判の矛先が日本政府に向いてしまう可能性がある。
産経が訴えるように、「竹島の日」記念式典を島根県などの主催ではなく、政府主催にするとか、それがはばかられるならせめて閣僚を出席させるなど明確に態度を示しつつ、竹島を取り戻す戦略を練り上げていって、国民に示していただきたい。
また、外務省も韓国側と協議する際には、必ず竹島問題を取り上げて返還を求めていくべきだ。