陸上自衛隊「石垣駐屯地」が開設。沖縄県と石垣市では温度差。中山市長「住民と融和を図りながら、しっかりと部隊を運営してほしい」玉城知事「住民合意が不十分」
防衛省は16日、沖縄県石垣市に陸上自衛隊の「石垣駐屯地」を開設。南西諸島は陸自の「空白地域」といわれていたが、新部隊を配備することによって解消され、南西諸島における災害派遣などの対応も充実される。
しかし、新設を巡っては沖縄県知事と石垣市長の間で、またも温度差が生じている。
中山義隆石垣市長は「住民と融和を図りながら、しっかりと部隊を運営してほしい」とコメント。
部隊の発足を受けて、陸上自衛隊の幹部らは16日、石垣市役所を訪れ、中山市長に駐屯地の開設を報告しました。
これに対し中山市長は「住民と融和を図りながら、しっかりと部隊を運営してほしい」と述べました。
中略
【石垣市長 共同訓練否定せず】。
陸上自衛隊の石垣駐屯地が開設したことについて、石垣市の中山義隆市長は「石垣島は最後になったが、これで、鹿児島県の奄美以南の南西諸島の防衛の形が整ったことになる。住民との協調、相互理解が必要だと思うので、オープンにできる情報はオープンにして互いの信頼関係を深めてもらいたい」と述べました。一方、駐屯地の開設を機に、「反撃能力」を行使するための「スタンド・オフ・ミサイル」が将来的に石垣市に配備されるのではという懸念について、中山市長は「現時点では、防衛省とはそういった話はしていない。全国の駐屯地などが対象になると思うが、まずは説明を受けて内容を聞いてから判断したい」と述べ、賛否の姿勢は示しませんでした。
また今後、石垣島で日米共同訓練の打診があった場合の対応については「共同訓練自体は否定しないが、例えば、島の海岸を利用しての上陸訓練を提示された場合には、住民の理解が得られないと思うので、やめてもらいたいと思っている。場面、場面で判断していきたい」と述べ、訓練の内容によって受け入れの可否を判断する考えを示しました。
本日、#陸上自衛隊石垣駐屯地 が開設され、奄美以南の南西諸島の守りが整いました。万が一の時の備え、また、抑止力として、市民の生命、安全を守る自衛隊の活動に期待します。
石垣島に陸上自衛隊石垣駐屯地が開設(沖縄テレビOTV)https://t.co/iIPHd9J4SM
— 中山よしたか(石垣市長) (@yoshitaka_ISG) March 16, 2023
しかし、玉城デニー沖縄県知事は開設を前に「十分に住民合意が得られているとは言い難い」と、難色を示していた。
沖縄県石垣市に陸上自衛隊石垣駐屯地が新設されるのを前に、同県の玉城デニー知事は15日、「政府に配備スケジュールありきで進めないよう求めてきたが、現状は十分に住民合意が得られているとは言い難い」と批判するコメントを出した。駐屯地は16日に開設される。
防衛省が22日に石垣市で住民説明会を予定していることについても、玉城知事は「本来なら開設前に実施される必要があった」と非難した。駐屯地には、中国を念頭に置いた防衛力強化の一環としてミサイル部隊などが置かれる。
玉城知事は、自衛隊機についても米軍基地についても「住民の理解が」というが、実際に中山市長のように歓迎している声もある。なぜこの声に耳を傾けず、反対派の意見ばかり聞き入れるのか?
陸上自衛隊トップの吉田圭秀陸上幕僚長は「南西地域における部隊の空白地域を解消して、抑止力を高めるとともに、各種事態が起きたときの迅速な初動対応を可能とする。引き続き南西諸島の防衛態勢の強化を着実に図っていきたい」と述べていて(参考)、「各種事態」はこう災害派遣も含まれる。災害発生時には迅速に部隊を派遣できることになるのだ。離島の防衛力強化はもちろんのことだが、こういった災害派遣について理解は示せないのだろうか?だから巷で「離島軽視」と非難されるのだ。