米下院議員、台湾から中国に乗り換えた国への援助を禁じる法案提出
ここ数年、台湾との外交関係を断ち、中国へと乗り換える国が目立ってきた。最近では中米のホンジュラスが台湾と国交断絶し中国と国交樹立して話題となった。米下院ではこういった国に対して援助を禁止する法案が提出された。
一見、台湾を支持しているように見えるが、これも対中包囲網の一環だろうし、台湾と関係を絶った国の多くが中米・カリブ海諸国と、米国のすぐ近くの国ということもあって、警戒を強めたと思われる。
アンディー・オグレス氏ら複数の米共和党の下院議員は15日までに、米政府に対し中国の同盟国への資金援助停止を求める法案を提出した。
同法案は台湾の主権を認めない国への米国からの援助を禁止することなどが目的。過去に台湾と断交したコスタリカ、パナマ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、ソロモン諸島、キリバス、ニカラグア、ホンジュラスを含む21カ国が対象として挙げられている。
関係筋によれば、米国はこの21カ国との関係促進や関連プロジェクト推進のため、2021会計年度には8億米ドル(約1070億円)近くを費やしたという。
法案では、中国がここ数年、中米・カリブ海諸国に急接近しており、これら国の多くが台湾との外交関係を断ったと指摘。中米・カリブ海諸国が地理的に米国に近いため、台湾から中国への乗り換えは米国の国家安全保障上の利益に脅威をもたらすもので、このまま中国が影響力を増した場合、台湾海峡における軍事衝突のリスク上昇につながりかねないと警鐘を鳴らしている。
中国共産党を抑止できるよう、米行政機関が台湾と正式な外交関係を構築し、台湾の国際社会参加を十分に支援することも求めている。
ネット上には「米国としての法案提出は台湾応援の意味合いでも、中共の金に目が眩んだ国への制裁の意味でも良いんじゃない?」「敵対する者を懐柔すべきか、痛め付けるべきか」「台湾から中国に乗り換えて、仮に中国から支援を受けられたとしても最終的には、債務の罠に陥ると言っても過言ではないでしょう」「第二のスリランカが増えなきゃいいけど」「米国が台湾を国として認めていないのに、他国を強制に認めさせている」といったコメントが投稿されていた。
まだ法案が提出されただけで、可決されるかどうかは不明だ。