【ドイツの電気代わかっていってます?】望月記者、ドイツの脱原発に「ドイツの再エネ割合46%!日本はなにをやってるのか」
ドイツで稼働していた最後の原発3基が停止し、「脱原発が実現」と話題になっている。
東京新聞の望月記者も次のようにツイートしていた。
ドイツの再エネ割合46%!日本はなにをやってるのか。。
ドイツ脱原発完了 再エネ加速、安定供給課題
昨年の総発電量に占める再生エネの割合は約46%で、原子力は約6%だった。政府は30年までに電力消費の8割を再生エネで賄うことを目標にしているhttps://t.co/8dTtRIaqLc pic.twitter.com/WEgGxlwzNW
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) April 16, 2023
望月記者はこのようなことを言っているが、ドイツの電気代をご存じなのか?
日経新聞は「2022年9月のドイツの産業用の電力料金は日本の3.5倍に達した」と報じた。
ドイツでは電気料金が高騰している。ドイツ政府は再生可能エネルギーへの転換を進めて中長期的に料金は下がるとしているが、欧州の中でも再生エネのコストが高い。電気代の高騰が続けば、産業競争力の低下を招く可能性がある。
米グローバル・ペトロール・プライシズによると、2022年9月のドイツの産業用の電力料金は日本の3.5倍に達した。
一般家庭用についても、ドイツ在住の日本人は「電力会社が、2023年1月1日から電力料金がこれまでの2倍になる通告を顧客に送った」と語る。国から補助金が出されたようだが、それでも60%は負担しなければならないそうだ。
ミュンヘン在住でドイツやヨーロッパの社会経済などを取材するジャーナリストの熊谷徹氏は「ドイツに住んで33年だが、これほど大幅な値上げが通告されたことは一度もなかった」と驚く。
「去年10月にミュンヘンの地元の電力会社が、2023年1月1日から電力料金がこれまでの2倍になる通告を顧客に送った。『もう払えなくなるんじゃないか』という市民の不安感は非常に強かった。その後、天然ガスの値段が下がり、それに連動して電力料金も下がり始めた。日本でもやっているが、ドイツでもやはり政府が激変緩和措置を出して、市民の負担が60%ぐらいの値上がりでとどまるよう補助金が出された」
また、白川司氏によると、ドイツでは一般家庭用電力の料金が10万円をはるかに超える家庭もあるそうだ。
ドイツでは一般家庭の電力料金が10万円をはるかに超えている。そのドイツを手放しに褒めるというのは、再エネ普及のためなら、貧困層が借金漬けになっても構わないということか? 新聞記者なんだから、もう少し勉強して発言しては。 https://t.co/2sAFYJo7QX
— Tsukasa Shirakawa(白川司) (@lingualandjp) April 16, 2023
記者ならば、脱原発の背景にはこのように利用者の負担増の現実も同時に伝えなければならない。それがなければ無責任な主張だ。無責任な発言は控えるべきだ。
ドイツにできたのなら日本にもできるはずと言うが、望月記者は一時とはいえ、ご自宅の家庭の電気代が10万円を超えても同じことが言えるのだろうか?望月記者にとってはビクともしない金額だろうが、一般の方々には非常に大変な額だ。
しかも、昨年の夏には電気の高騰だけでなく、電力逼迫も問題になったという。原発が無くなればどうなるかは少し考えればわかるはずだ。では、その分は何で賄うか?日本もそうだったが、火力発電しかないだろう。
しかも電気は高騰だけでなく、逼迫もしている。政府でエネルギー問題を仕切っている緑の党は、ドイツの抱える問題は熱不足(=ガス不足)であり、電気不足ではないと言っているが、これは真っ赤な嘘だ。
電気はすでに去年、つまり戦争の始まる前から、厳冬期のブラックアウトが危惧されていた。ちなみに今年6月には、ハーベック氏自身が、電力供給の安定のため、当面、発電には不足しているガスではなく、石炭・褐炭火力を使うと宣言している。褐炭は格安で、国内に捨てるほどあるから、CO2のことを無視すれば、一番使い勝手の良い燃料だ。
このように、無理を通そうとするから本来の目的であるCO2削減も置き去りにしなければならないのだ。
ドイツから学ぶとすれば、原発を停止すれば、電気代は高騰するし、電力不足に陥るということだ。だが、これはドイツから学ばなくてもすでに多くの方々が訴えている。